70回の卒業式

平成30年3月1日
激しい風もおさまり、早春の日差しが感じられる中、本校第70回卒業証書授与式が挙行されました。

◇以下、校長先生の式辞の一部を紹介します。 (…中略)

…皆さんが茨高での生活を終えて新たな環境に歩を進めるにあたって、私から二つのことを伝えておきたいと思います。
一つは、物事を様々な角度、視点からとらえようとすることです。…グローバル化が急速に進む中、私たちは、様々な人や集団のとらえ方を少しでも理解しようという姿勢を持つことが重要です。人は、もちろん自分以外の人の立場に立ちきることはできません。しかし、その立場に立とうとするのかしないのかという態度の違いが生む結果の差は極めて大きいでしょう。ことの根幹に関わるような重大な事象について考える際に、自らの心の深い部分に留めておいてもらいたいと思います。…
もう一つは、苦しい時ほど、楽観的に前向きに考えるということです。…そもそも皆さんは、「二兎を追う」という、一般的には極めて理不尽でとてつもなく高い壁を自らの前に設定して高校生活を送り、今日という日を迎えているのです。この経験は何物にも代えがたい財産となることでしょう。…
最後に、この三年間、私は集会などで話をする機会があるたびに、皆さんに対して、人としての在り方、生き方について問いかけてきたつもりです。これからも、皆さんには、迷ったときに立つべき自らの原点をそれぞれ持っておいてもらいたいと思います。皆さんは、「天つ空見よ」で始まり「国運たすけん」と結ばれる壮大な歌詞の校歌を歌い継いできた茨高の空気の中で、かけがえのない時を過ごしてきました。旧制中学校は50回まで、そして新制高等学校になって70回、皆さんは茨高の第120回卒業生とも言えます。自らが120年の連続の歴史の中に身を置いているということを自覚し、短期的なことや表面的なこと、世俗的なことにとらわれず、そして、国の命運にとどまらず、人類の命運を、この星の命運を意識して、「志」を高く持ち続けてください。今後皆さんが「力行やまず」「本務を尽くして」ますます活躍することを期待して式辞といたします。

◇卒業生の答辞では、3年間の成長、家族への感謝、在校生への熱いメッセージが語られ、一つひとつの言葉に茨高で過ごした3年間の思いが詰まっていました。

◇70期卒業生が作詞、作曲した卒業歌「咲」を紹介します。三部合唱の美しいハーモニーを聴かせてくれました。
今日が最後だと君はうつむいて呟く
にじむ涙の中にゆれる見慣れた景色
3月の風はまだ少し冷たいけれど
そっと蕾は綻ぶ 僕らの未来はここに
振り返ることはない 君と過ごした時間とともに
ひとりひとり違う道へ 誇らしげに咲いたその笑顔
たとえ遠く離れてても 君を心に思い出せば
大丈夫と頷くから あの日の笑顔は今も胸に

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