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令和7(2025)年8月19日(火)「夏休みが終わってしまいました!」

~ 夏休み明け全校集会にあたって ~

 皆さん、おはようございます。

 とうとう1か月に及ぶ夏休みが終わってしまいましたが、皆さん、どうでしたか。有意義な夏休みを過ごせましたか。

 中には、海外研修から帰国した人たちもいて、夏休みの大きなイベントを一つ終えたようです。7月27日(日)、オーストラリア向けて、シンガポール経由シドニーへと20名の生徒たちが関空から出発し、約10日間滞在し、ホームステイを含めてさまざまなアクティビティを現地の人々と体験してきました。関西8月5日(火)、国際空港で出迎えたときの海外研修に参加した皆さんのやり切った感のあるたくましい笑顔が印象的でした。「異文化って人を成長させてくれんだなあ」ということを確認できた瞬間です。

 この10日間、英語を使いこなせないことに落ち込んだり、現地の人たちとうまくコミュニケーションが取れずに戸惑ったりすることもあったでしょうが、参加した皆さんはこの海外研修を通して、英語はもちろんのこと、家族の大切さや自己主張の大切さなど、学んだこと、感じたことはたくさんあったと思います。きっと、日本ではやってもらって「当たり前だ」と思っていたことが「当たり前ではないんだ」ということに気づかされた研修旅行だったのではないかと思います。

 まだまだ、暑い日が続きますが、これから秋へと季節が進むのだと思うとホッとするものの、夏の終わりは何となく物憂い感じがします。夕刻の日の陰りもだんだん早くなってきて、過ぎ去っていく夏が、早くも「思い出」に変わろうとしているような気がします。

 夏を歌った短歌を一首紹介します。

 「 思い出の 一つのようで そのままに しておく 麦わら帽子のへこみ」』

この歌の作者は「俵万智」さんという大阪生まれの歌人で、現在も一線で活躍しています。この歌の出典は『サラダ記念日』という歌集です。

 「 思い出の 一つのようで そのままに しておく 麦わら帽子のへこみ 」

 歌意は、「過ぎ去っていく夏の思い出の一つのようにも思えるので、麦わら帽子のへこみさえもそのままにしておきたい」というものです。

 暑さの盛りを過ぎた夏、その夏から季節が移ろい秋の兆しが感じられる頃、真夏の強い陽射しを遮ってくれていた麦わら帽子をしまおうとする。ふと見ると、その麦わら帽子の一部にへこみのあることに気がついた。短歌の中でははっきりと表現されていませんが、きっと、夏を一緒に過ごし、季節をともに感じた人との思い出のような気がして、そのへこみを直さずにとっておこうということなのかも知れません。何とも例えようのない作者の喪失感、欠落感、寂しい気持ちが伝わってきます。

 胸の奥の深い部分が絞られてキュッと音を立てるような、開放的に続くかのように思えた夏の季節と陽射しが傾き陰っていくときにいつも感じる孤独感に似た寂しさです。

 さて、3年生の皆さんは、これから就職・進学と進路決定の本番となります。自分自身が描く将来像に向かって確かな一歩を力強く踏み出さなければなりません。昨日のことを振り返っているその間にも、刻々と時間は過ぎ去っていきます。限りある高校生活、進路希望実現に向かって、一日一日の取組みを計画的に確実に積み上げていってほしいと思います。頑張ってください。

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