本校の創立10周年記念誌『欅』のページを繰ると、その巻末資料編に「文化祭の変遷と歴史」と題して次のように記されています。槻の木高校文化祭の始まりの姿が見えてきました。
――― 第1回の文化祭は、平成15年の9月13日に『槻の木祭』第2日という形で開催されました。『槻の木祭』初日の体育大会を校外施設で終えた後、学校に戻ってきて、本校体育館で準備、リハーサルを行うという非常にハードなスケジュールでしたが、1期生の6クラスが一丸となって取り組む姿は、既に今の槻の木高校の校風を方向付ける力強さがありました。
その当日のプログラムですが、体育館に1期生全6クラスが集い、午前中に3クラス連続でステージ発表、10分の休憩を挟んで残り3クラス続けてステージ発表を行いました。昼休みは30分間で、続いてダンス部、演劇部、など、クラブの発表がありました。まだまだ暑い季節であり、1日中体育館に全員が入っているという過酷な中でも、各クラス、クラブの熱演が繰り広げられました。
第2回は、2学年となり、体育大会と1週間の間隔をあけた「槻の木祭-文化祭」でした。既に体育館ステージが文化祭の見どころとなり、他に講義室ステージや構築物、縁日などに取り組んだクラスがありました。まだ、2学年ということもあり、初日の午前は授業で、文化祭は午後から開催され、2日目は終日実施という「1日半」の文化祭でした。
第3回も「槻の木祭-文化祭」という形でありましたが、体育館ステージの発表を育てていこうという共通認識のもと、2日間開催が実現し、18クラス中15クラスが体育館のステージ発表に取り組みました。―――
【第23回文化祭 ― 開会式挨拶 ―】
今年度の第23回文化祭は、『邁進輝映』をスローガンとして開催されます。「互いの頑張りを光りとして照らし合いながら、皆で一心に突き進む」という願いが込められているのでしょうか。体育大会と並んで営々と築き上げられ継承されて今に至った年月の重みを感じるとともに、一つの行事が伝統へと昇華されていく道のりに思いを馳せずにはおれません。
文化祭は、生徒会活動、クラブやクラスの取組みなど日常の学校生活の成果を発表する場です。言い換えれば、日頃からどのようなことに関心があって、問題意識を持っているかなど、生徒一人ひとりというより集団としての力量が問われるところです。クラス全員が一体となって取り組む演劇やミュージカルはその良い例だと思います。舞台に立って役を演じ、その役柄の生き方や考え方を観る側に発信する人、そして、その演技を照明や音響の操作、大道具や小道具の製作によって支える人、また、その演劇やミュージカルを脚本づくりや演技監督で一層際立たせる人など、それぞれのパートがしっかりと役割を果たし、一つの作品にまとめていく。一人ひとりの持っている得意な事柄や良いところを結集し、集団のものにしていく作業です。その過程でぶつかりあうことも出てくるでしょう。それを克服していくことで調整力や自治力も培われます。こういったことを繰り返して、集団の質を高めていくことができるのが文化祭であり、今年度のスローガン、『邁進輝映』の意味するところではないでしょうか。
今日明日と2日間に渡る文化祭、精一杯みんなではじけて、最高のひとときにしてください。特に、3年生の皆さんには最後の文化祭となります。ぜひ、頑張ってすばらしいものを創り上げてほしいと思います。期待しています。