第47回入学式

 4月8日(月)、桜舞い散る中、大阪府立伯太高等学校 第47回入学式が開催されました。新たに240名の新入生を迎えて令和6年度がスタートしました。新入生が担任の先生に導かれ、ゆっくりと入場。伯太高校の生徒として、その足跡を確実に刻みました。以下、入学式の模様と校長式辞です。心配した雨もなんとか降らずに入学式を終えることができました。

【校長 式辞】

 木々の緑も映え(はえ)、桜の花が今を盛りに咲き誇り、まさに春爛漫(はるらんまん)、生きとし生けるものの息吹を感じる今日の佳き日に、令和6年度第47回大阪府立伯太高等学校入学式がかくも盛大に挙行されますことに、心より感謝申し上げます。

 ただいま入学を許可しました大阪府立伯太高等学校第47期240名の新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。伯太高校の教職員・生徒を代表し、みなさん一人ひとりに心よりお祝い申し上げます。

 みなさんは今日から、「高等学校」というステージで人生の新たなスタートをきることになります。そんな皆さんの門出にあたり、話をさせていただきます。イメージしながら話を聞いてください。

 (ブラジルの一匹の蝶の羽ばたきがアメリカテキサスに発生するハリケーンの原因となり得るでしょうか?)これは、今から50年以上前の1972年。アメリカの気象学者エドワード・ローレンツが明日の気象予報を正確に出すことがいかに困難であるかを伝える際、引用した言葉です。やがて、ローレンツのこの問いは、非常に小さな出来事が、最終的に予想もつかない出来事へとつながる「バタフライエフェクト」として広く世に知れることとなります。

 今、(非常に小さな出来事が、最終的に予想もつかない出来事へとつながる)といいましたが、これはマイナスではなくプラスの事柄(未来)にも繋がっていきます。みなさんが知っている「継続は力なり」ということわざがあります。「どんな小さなことであっても継続していればやがて大きな成果となる」。だから、結果がすぐに出なくても途中で投げ出すのではなく、地道に続けていくことが大切。「継続することがやがて力になる」私たちはこのことわざの意味をそう学んできました。実は、このことわざには、もうひとつの解釈があります。それは、「継続することそれ自体、優れた能力である」。物事を成し遂げるまで諦めずに取り組み続けるということは、それだけで素晴らしいこと。(何かに一途に向かい合う。そして、振り返ると何かが残されている)ステキだとは思いませんか。

 日々の積み重ねが、思いがけもしない(成果やよろこび)を生み出していく。みなさんは、ここまで様々な応援を受けながら、15年という年月を歩んできました。ここから3年間で、(なにを積み上げ、これからどこに向かうのか)ここ伯太高校でみなさんの大切な未来が育まれます。伯太で過ごす3年間は、「バタフライエフェクト」蝶の羽ばたきです。その羽ばたき、瞬間また瞬間の風景の積み重なりこそ奇跡と感動の積み重なりなのです。

 実は、この日のために、話を2つ用意してあり、どちらかひとつをお話ししようと考えていました。今ここに至り、どちらもお伝えしたいことなので、ふたつともお話しさせていただきたいと思います。

 (思うは招く)という言葉があります。(思っていればいつかその夢はかなう)という意味です。これは北海道の小さな町で工場を営みながら、民間ロケットの開発をしている植松努さんが講演会の中で話された言葉です。1969年7月21日、アメリカのアポロ11号が月面に人類最初の足跡を刻みました。その瞬間、世界中の人々がその映像をみて歓喜に湧きました。(1972年の大阪万博では、「月の石」を一目みるため長蛇の列ができました。)祖父の喜ぶ姿をみながら、植松少年は(将来は、宇宙に関わる仕事に就こう)と心に決めたそうです。その夢を実現させるため、学校の勉強よりも、偉人や宇宙に関する本を読む学生時代だったといいます。もちろん、多くの大人たちからは(それは無理だから。そんな夢みていないで、勉強しなさい)と言われ続けたそうです。「無理」とても冷たく、やる気をそいでしまう恐ろしい言葉です。

 紆余曲折の後、協力者や賛同者も得ながら「宇宙ロケットの開発」に関わっている植松さん。思い続けることで、夢をかなえ、その夢はまさに(宇宙の彼方)へと広がりをみせています。

 (思い、それを実現させようとする意思を持つこと)で、人は強くなり素敵な存在に成長させます。みなさんは、ここまで様々な応援を受けながら、15年という年月を歩んできました。ここから3年間で、(なにを思い、かなえていくのか)ここ伯太高校でみなさんの大切な未来が育まれます。伯太で過ごす3年間、その一瞬一瞬を大切に、(思い)をもって過ごしてください。

 保護者の皆様、改めまして、ご入学おめでとうございます。今日まで応援し続けられた保護者の皆様にも、本日は喜ばしい日であると存じます。われわれ教職員一同、生徒の限りない可能性を信じ、一人ひとりが本校の主人公として有意義な学校生活を送ることができるよう、全力で生徒の皆さんを応援してまいります。高校時代は、人生において大人への一歩を踏み出すとともに多感で悩み多い時期でもあります。彼ら彼女たちの健(すこ)やかな成長のためには、学校とご家庭との相互信頼と連携が必要です。各ご家庭におかれましては、時間や規則を守る、挨拶するという基本的な生活習慣についてご指導いただくとともに、学校の指導・経営方針をご理解の上、ご協力・応援を賜りますよう、お願い申し上げます。本日、ここ伯太高校に入学したみなさんの限りない可能性を祝し、式辞といたします。

令和6年4月8日 大阪府立伯太高等学校長 片山 造 

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