テレビ等でも「平成」とはどんな時代だったのか・・・というような特集が組まれたりしていますね。
私が教員になって間もない頃、「昭和」から「平成」の時代に変わりました。まだ学校のパソコンもNECのPC-8801、PC-9801・・・みたいな時代で、ワープロ機が全盛の時代でした。教務担当で元号書換え作業等が結構大変だったのを覚えています。
さて、特別支援教育にとってはどんな時代だったでしょうか。
障がいのある子どもたちにとって「自立」とは何かという概念が大きく変わっていった時代だったと思います。昭和の激動の時代と比べると、障がいのある方の様々な思いをより自由に伝えやすくはなってきました。
アメリカからIEP(Individualized Education Program)の考え方が入ってきました。教育行政、学校、親を含めたIEP会議での合意に基づいて作成される契約という概念は、形は異なるものの、日本の「個別の指導計画」等につながっていると言えます。本人・保護者の思いを大事にするという大きな意味が含まれています。
では、医療的ケアを中心に、少し歴史を振り返ってみましょう。
- 平成11年度 府立養護学校8校・市立養護学校3校・小学校5校・中学校3校に看護師を派遣
- 平成12年度 「医療的ケア対策委員会」の開催
- 平成13~14年度 盲聾養護学校において専門医(小児神経科)及び看護師による巡回相談を実施
- 平成15年度から定数内特別非常勤講師として、養護学校8校に看護師を配置
- 平成18年12月13日に国連総会において「障害者の権利に関する条約」採択、平成20年5月3日に発効
- 平成19年 「特殊教育」から「特別支援教育」への転換
- 平成23年12月20日 文部科学省通知「特別支援学校等における医療的ケアの今後の対応について」
- 平成24年度 「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律による社会福祉士及 び介護福祉士法の一部改正」(平成23年6月)に伴い、4月より一定の研修を受けた介護職員等は一定の条件の下にたんの吸引等の医療的ケアができるようになることを受けて、これまで実質的違法性阻却の考え方に基づいて医療的ケアを実施してきた特別支援学校の教員についても、制度上実施することが可能となった。
- 平成25年6月 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)制定
- 平成26年1月20日、日本が 「障害者の権利に関する条約」に批准
- 平成27年度 高度医療サポート看護師1人を配置(教員定数外)
- 平成28年4月1日 大阪市立特別支援学校12校を大阪府に移管
- 平成28年度 臨時技師(常勤看護師)の配置
- 平成28年4月1日 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」施行
- 平成31年度 大阪府で就学奨励費による通学費(タクシー等)の対応開始(対象は、医療的ケアが必要なために通学バスに乗車できない児童生徒)
- 平成31年度 大阪府で通学支援事業の開始
少しずつではありますが、着実に前に進んでいることがうかがえます。
次の「令和」の時代にも大きな変革を起こせるよう頑張りましょう。新しい時代が少しでもよくなりますように!