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8/26(月)大阪肢体不自由自立活動研究会 第44回夏期講習会

 アネックス パル法円坂で、大阪肢体不自由自立活動研究会 第44回夏期講習会を開催しました。昨年度に引き続き、本校が大阪肢体不自由自立活動研究会の幹事校であり、自立活動部の教員が中心となって、本日の講習会も早くから準備を進めてきました。(担当の先生方、ありがとうございます!)

 今年は、昨年度を超える200人に迫るほどの先生方に参加していただきました。"大阪府の支援教育を牽引すべく、積極的に学ぼう"という意識で参加していただけるのは、本当に嬉しいですね。

 午前中は、島根大学 学術研究院教育学系准教授の樋口和彦先生に、『重度・重複障害児の学習(学び)とは?ー重度・重複障害児の「主体的・対話的な学び」ー』というテーマでご講演いただきました。重度・重複障がいの児童・生徒の目標設定や学習内容については、多くの先生方にとっての課題であり、昨年度も重度・重複障がいの指導に関する講座は希望者が大変多かったと記憶しています。

 今回は、心理学理論を基本として、重度・重複障害児の「主体的・対話的で深い学び」とは何かについて、多数の映像をまじえてお話しくださいました。すべてをここでご紹介できませんが、ポイントは、以下のような感じでしょうか。

『ピアジェが、発達段階と考えていた変化は、子どもの生活環境の変化に影響を受けた変容であることがわかってきた!』

『人は潜在能力としてコンピテンス(対話の中の学習能力)を持って生まれてくる』

『人の乳児は、9ヶ月頃までに、他者行為の裏にある意図を理解し始めるようになる』(共同注意の発達)

  • 子どもが大好きな大人をつくること

   大好きな特定の人とつくらなければ発達しない(家庭での母親のように"対話できる大人")。

  • 本当に子どもが好きなことに取り組むこと

   "授業"という形にこだわりすぎない。子どもの表出に対して応えていく姿勢が大事。

  • 重度の子どもの学習は、場所と人に結びつけられる 「文化心理学的視点」

   学習や発達をとらえる場合に個々の子どもと発達する環境要因との両方に注目する。

  •  子どもは、その場所で最も信頼をおく存在を選ぶ。子どもの自発的な動きに対して、即「応答」し、拡充模倣していく必要がある。

   特に言葉の学習の際に、やり直しや言い直しを強要されると意欲が薄れるので注意が必要。

 午後は、「重度呼吸障がい児の呼吸理学療法」、「重度・重複障害児へのスヌーズレン活用とその実際」、「脳性麻痺の子どもたちの姿勢と環境設定について」という3つの講座を用意し、実技もまじえて学んでいただきました。

 是非、日々の指導の参考としていただき、よりよい実践を積まれることを願っています。