芸術鑑賞会

 今年の芸術鑑賞は、6月8日と6月15日の二日間に分かれて、国立文楽劇場で「二人三番叟」と「夏祭浪花鑑」を鑑賞しました。太夫さん、三味線さん、人形遣いさんの息がぴったりあった技の妙。普段なじみのない世界でしたが、洗練された古典芸能に触れる機会となりました。世界に羽ばたく生徒のみなさんには、大阪が、そして日本が誇る伝統文化の魅力を、ぜひ世界に発信してほしいものです。

文楽の解説(あらすじ)
夏祭浪花鏡は、義理と人情のはざまに揺れる、任侠の男と女の物語です。
団七九郎兵衛は恩人である玉島兵太夫の息子であり、誤って人を殺してしまった磯之丞とその恋人の琴浦を、旧知の老侠客・釣船三婦に匿ってもらっています。そんなある日、団七と義兄弟の契りを交わした一寸徳兵衛の女房・お辰が三婦の元を訪れ、磯之丞を代わりに匿うことになります。
残された琴浦を、団七の義父・義平次が琴浦に横恋慕する大島佐賀右衛門に渡し、金にするため連れ出しますが、それに気付いた団七は、うまく言いくるめて連れ戻します。だまされたと知った義平次は怒り狂い、もめ合ううちに団七は義平次を殺してしまいます。
死骸を池に投げ捨て、団七は祭りの賑わいに紛れてその場を立ち去るのでした。
                                
                                  

以下、写真
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<生徒の感想>
 初めの二人三番叟で、人形が自ら動いているような生き生きとした動作に驚かされましたが、その後、他にも人形に命を吹き込むための様々な工夫があることを知りました。私が特に面白いと思ったのは、三味線です。場面を盛り上げるために、BGMを使うのは現在も同じですが、登場人物の喜怒哀楽をメロディーでなく、音色そのもので表現するというのは、文楽独特のものです。人形の繊細な動きや太夫の声の調子、三味線の微妙な音色の変化から観客が想像をふくらませて鑑賞するという当時の人の楽しみ方は、今の私たちが映画やアニメを観るときに比べて、とても能動的だと感じました。
 今回は、字幕や床本を目で追いながら何とか話の筋は理解できたかな、といった感じでした。もしまた文楽を観る機会があれば、もう少し余裕をもって楽しめるのではないかと思います。