2017年度 京大研究室訪問

本校では高い志を涵養する取り組みの一つとして、毎年夏休みに、京都大学の研究室を訪問させていただくプログラムを実施しています。京都大学の各研究室では、本校卒業生の教授の方々を中心に、生徒たちを温かく迎えてくださっています。貴重な体験を通して、大学で学ぶということ、将来の進路のことなど、自ら考えを深めるきっかけを得ることができました。
以下、参加した生徒の感想の一部を紹介します。

●京都大学研究室訪問
①松村朋彦教授(京都大学大学院文学研究科)研究室 訪問日7月24日
私は文学部ドイツ文学専修の研究室訪問に参加しました。松村朋彦教授の研究室にはドイツ文学を始めとした文学作品や資料がびっしり並んでいました。大学の研究室は想像していたものと全然違い、とても驚きました。松村教授は京都大学とはどういう大学なのか、また、文学部ではどのようなことを学べるかなど、詳しく教えてくださいました。 文学部の内容としては、日本文学や外国文学の研究ぐらいしか知らなかったのですが、京大の文学部にはそれら以外にも「情報・史料学」、「二十世紀学」、「メディア文化学」など、今まで聞いたことのなかった専修が沢山ありました。松村教授は私達の質問に一つ一つ丁寧に答えてくださり、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。今回の訪問は自分の進路選択においてとても大切な時間になったと思います。(1年生)

②高倉喜信教授(薬学部)研究室 訪問日7月25日
 私たちは京都大学薬学部の研究室を訪問させていただきました。茨木高校の卒業生で、現在は京都大学薬学部長をしていらっしゃる高倉喜信教授に学部の説明と模擬授業をしていただきました。一つの新薬を製造するためは、多くの年月やコスト、人手、さらに他の学部との連携が必要であること、また、新薬が製品となる確率が非常に低いことを教えていただきました。模擬授業では高校で学習している内容よりもさらに深く、分子、細胞レベルまで詳しく教えていただきました。自分の知識不足を思い知ると同時に、薬学への興味がさらに強くなりました。続いて、大学生の方に研究室を案内していただき、「科学」、「生物」、「物理」、それぞれの分野別に、特徴を活かした道具や機械を実際に使う様子を見せていただき、大学で行う実験の精密さに驚きました。
 今回の研究室訪問をこれからの進路決定に役立てたいと思います。(2年生)

②薬学_高倉教授.JPG

③出口康夫教授(文学部)研究室 訪問日7月25日
・ルールとは、人間が「良い悪い」を判断するためにあるものであり、文化や地域によって、何を良いと思って、何を悪いと思うかは、全然違うものである。そして、哲学は、この点と強い結びつきがあるということに大変興味を持ちました。また、私がずっと疑問に思っていた「哲学」と「倫理学」はどう違うのかということに対して、丁寧に説明してくださり、とても勉強になり、進路を考える上で大変良い機会となりました。
・「哲学」といえば、難しい学問というイメージがありましたが、今回の体験を通して、「哲学」は誰にでもできる学問であり、一人一人が深く、ある問題について考えることによって、社会全体を変えたり、人々を救ったりすることができる奥深いものだと思いました。

③京都大学出口教授研究室.JPG

④高木郁二教授(量子工学センター)訪問日7月26日京大研究室訪問 感想
 僕が京都大学量子理工学研究センターを訪問して、本当に良かったと思ったことは、二つあります。一つは、京都大学にいる方々の研究の一部を体験できたことです。高校にはない道具や設備があり、それらを使って、より深く研究されていることがわかりました。そして、その研究の一部を体験することによって、知識や技術を身につけるとともに、レベルの高さを感じました。もう一つは、京都大学の施設や学生の方々を実際に拝見することができたことです。構内にはたくさんの施設があり、分野ごとに適した場所や環境が整えられていました。そして、そこで生活する学生の方々はとても楽しそうで、生き生きとしていたので、あまりイメージのなかった大学生の生活を身近に感じることができました。(1年生)

④京大高木先生1.JPG

⑤諸富徹教授(経済学)訪問日7月26日
この度、私が京大研究室訪問に参加しようと思った理由は、経済学というのがどのようなものか知りたかったからです。諸富先生の講義はエネルギーについてのものでした。私はエネルギーについて知識だけはありましたが、事実どのような取り組みが行われているのかなど、詳しいことは全く知りませんでした。企業でもない団体が保育園にソーラーパネルをつけたり、山奥でも発電できるように小規模な水力発電所の設備を計画していたりと、私が知らない世界がありました。また、同じ先進国であるドイツが如何様にエネルギー問題を解決したのかも分かりました、そして、日本政府の新たなエネルギー政策である固定価格買い取り制度の事もよく分かりました。これらの他にも、原発のことや電気のことなど、様々な事を教わりました、この経験を通して、これからの日本エネルギーにとても興味がわきました。諸富先生、たくさんの質問にお答えいただきありがとうございました。(1年生)

⑤京大訪問諸富先生.JPG

⑥「柴田昌三教授・奥本裕教授(農学部)訪問日7月27日
・柴田先生の竹についてのお話はとても興味深く、茨高生時代のマスコット作りが今の研究につながっているとお聴きして、私も高校生活の中で興味のあるものを見つけたいと思いました。(1年生)
・自分の興味のある森林のことについてのお話を聴くことができたので、より一層森林について関心が持てるようになりました。具体的にどのような研究をするのか、大学卒業後のことなどを知ることができ、非常に参考になりました。漠然とした農学部のイメージが非常に具体的に分かるようになったので、目標を立てやすくなりました。(2年生)

⑦太田快人教授(京都大学大学院 情報学研究科 数理工学専攻
 制御システム論分野) 訪問日8月3日
今回の訪問では、太田教授、加嶋准教授にご講義いただき、大木助教には研究室を案内していただきました。太田教授の講義では、「ナッシュ均衡」の話を始め、新しい知識を得ることができて良かったです。それに関する参加者からの質問もあり、深く学ぶことができ、様々なことを考学ぶいい機会になりました。加嶋准教授は模擬授業をして下さり、数学を勉強することの大切さを学びました。倒れないロボットを間近で見ることができ、工学に少し興味を持つことができました。
今回の講義では、普段の高校生活ではできないことを体験させていただきました。太田教授を始め、研究室の方々、お忙しい中ありがとうございました。(1年生)

⑦京大研究室訪問太田先生.JPG

⑧京都大学高等教育研究開発推進センター教授 教育アセスメント室長 
教育学研究科兼任 溝上 慎一 教授   訪問日8月4日
【報告】研究室訪問時間は当初1時間の予定でしたが、約2時間に延長していただき、様々な映像を見せながら、生徒の質問に丁寧に答えてくださいました。生徒の質問は、教育についてだけでなく、進路のこと、大学生活のことなど多岐にわたりましたが、他大学のこと、学部選びのアドバイスなども含めて的確に答えてくださいました。ありがとうございました。
【生徒の感想】
 私が研究室に入ってまず驚いたことは、壁一面に置かれた本棚に様々な言語で書かれた本が並べられていたことだ。そんな中でお話を聞くことには緊張感があった。
 私たち6人からの質問にそれぞれ丁寧に答えてくださりながら、「アクティブラーニング」のことを中心に、お話を広げてくださるものだった。私が最も心に残ったのは、溝上教授の専門とされている発達心理学や教育心理学は、将来どの職業にも役立ち、自分が生きていくためにも役立つということだ。
 もともと教育学に興味があったが、今回の訪問で、発達心理学や教育心理学を大学で学びたいと思った。自分なりに本を読んだりして、もっと理解を深めていきたい。京都大学研究室訪問は進路を考える上で貴重な経験となった。(1年生)

⑧017京大研究室訪問溝上先生.jpg

たくさんの生徒が、貴重な体験をさせていただきました。京都大学の先生方、本当にありがとうございました。