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朝日新聞に三丘球児と球審のドラマ掲載 大阪市内版「あの夏一番近くで見たから」

 新聞を読んで涙が出たのは、ほんとに久しぶりです。今日の午後、野球部員が2名校長室に来てくれました。ドアをノックする音が聞こえたので、いつものように「どうぞ~」と声を掛けたら、真っ黒に日焼けしたユニフォーム姿の2人が新聞を持って入ってきました。野球部のことが朝日新聞に載ったので校長先生にも読んでほしくて持ってきたというので、2人の話を聴かせてもらいました。大会初戦を真近に控えた大事な時期なので長く引き留めるのは彼らに申し訳ないと思ったので、お礼と激励を伝えて彼らが退室した後でじっくりと記事を読ませてもらいました。

 7月7日(金)の朝日新聞大阪市内版の25ページ「想いをつづって」という連載記事で、見出しは「あの夏一番近くで見たから」。2009年7月18日に行われた全国高校野球選手権大阪大会2回戦対高津高校戦に関する記事です。この試合は8回まで無失点の投手戦だったそうですが、9回表に三国丘の送球ミスで高津高校に2点が入り、追いつけないまま2時間19分に及ぶ熱戦はゲームセットを迎えました。この試合の主審をしていた方が、ドラマのようなこの試合のボールをどうしたら良いのか悩みに悩んだ挙句ある行動に出たというのです。以下、記事から抜粋です。

 上脇さんはボールを持ち帰り1か月余りが過ぎた。考えあぐんだ末至った結論が"この期の選手全員に贈る"でした。ボールと一緒にA4用紙2枚の手紙を添えた。配達日は9月3日。突然届いた手紙とボールに、三国丘高校野球部の辻監督は驚いた。「負けてしまった試合だったけれど、こんな風に手紙をくれる方がいる。がんばった証拠やな」そう話したことを覚えている。

 手紙をもらった選手のひとりは、もらった手紙のコピーを持っている。「高校3年生夏の大会VS高津高一番近くにいた人からの手紙」と添え書きをして。彼はこう振り返る。「あの日の試合のことは今も悔しさが残っていて。でも、あの手紙を読み返すだけで、当時の熱かった気持ち、主審の上脇さんの優しさ、気遣いが伝わって、本当にあたたかい気持ちになって、泣きそうになるんです」

 この夏はグラウンドキーパーとして、あの試合があった南港中央球場で球児たちを支える上脇さんは言う。「ふとね、あの子ら、どうなっているかなと思ったりして。きっと、素敵な大人になって、がんばってくれているだろうな。そう思えるからかな。私も負けていられない、なんてね」

 今年もまた、熱い夏が来ます。