• トップ
  • 2023年
  • 7月
  • これは注目! 模擬裁判選手権に向けて あり得ないくらい贅沢すぎる指導

これは注目! 模擬裁判選手権に向けて あり得ないくらい贅沢すぎる指導

 模擬裁判選手権については、このブログでも何度かお知らせしてきました。1年生4人組がなんと超有名進学校の3年生チームを撃破して本選に出場したという記事を書いたときには、今までにないくらい興奮していました。その4人が本選に向けて動き出しました。

 その初回は7月10日(月)でした。15時から、裁判官、検察官、弁護士の4名の先生方が来校され、模擬裁判選手権に出場予定の4人の一年生の生徒に対してご指導いただいたのです。もう一回書きますが、裁判官、検察官、弁護士ですよ。こんな贅沢があるでしょうか?普通の高校生では絶対に考えられない体験です。先生方、ありがとうございました。

 ご指導いただいた内容は、裁判についての基本的な仕組み、事実と評価の違い、尋問の仕方などです。一方的な講義ではなく、弁護士の森田先生(大阪弁護士会)を中心に座談会形式で行われました。まず、刑事訴訟の仕組みについては、白石先生(弁護士事務所出向中の裁判官、本校卒業生)からご説明がありました。普段裁判官として裁判の証拠をどのように評価しているかなど、裁判官の立場からの具体的な内容でした。論告については検事の長谷先生(大阪地検)から説明があり、検察官として、分かりやすく裁判官に伝えることの重要性が強調されました。弁論については田尾先生(弁護士事務所出向中の検事)から説明があり、検察官が描くのとは異なるストーリーを組み立てて、裁判官に「有罪とは言えないかもしれない」と思わせるようにすることの大切さが強調されました。それぞれ違う立場のお三人からお話を聴くなんてことはあり得ないと言ってよいほどのことで、4人の生徒にとっては大変貴重な時間になりました。

全体的な模擬裁判についてのレクチャーとして、森田先生が特に強調されていたのが、"法律の世界では事実と評価をきちんと整理して議論をすることが大事"だという点でした。たとえば、「彼は身長が高い」というのは評価であり、事実とは言えません。それに対して、「彼の身長は180㎝だ」という表現は事実であるといった具合です。そして、法律の世界で特に重視されるのが、"客観的な証拠"や"信用性が争われていない証拠"などによって認められる、いわゆる『動かし難い事実』であるとのことです。今後、生徒たちは、今回の知識をもとに、弁護士や検察官として論告や弁論を作成したり、証人尋問の練習を行っていく予定です。

4人のプレッシャーになってはいけませんので、私は頑張れ!とは言いません。その代わり、みなさんが指導を受けた後に4人の先生方が言っておられたひと言を伝えます。「あの4人は、なかなかやりますねぇ...」ですって。自分たちの力を信じて良いと思いますよ!