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写真と現地からのメールで綴る「フィリピン研修」 総集編 

 フィリピン研修もいよいよ明日が最終日となりました。現地から、引率の先生が送ってくれたメールを一挙に公開し、たくさんの写真をご覧いただいて、「フィリピン研修」総集編としたいと思います。まずは、超リアルなメール文です。

 3日目 84日(月)

 いよいよ本校の姉妹校であるEnderun Collegeでの研修が始まりました。

 生徒達は、今日から4日間、大学生のバディと共に英語で経営や起業家精神に関する授業を受けます。また、参加生徒は4月から、グループごとに社会課題の解決に資するビジネスプランを探究しており、バディからアドバイスを受けて最終日にビジネスプランの発表を行う予定です。

 Enderun Collegeは経営学部を中核とする大学で、バディの生徒たちによるアイスブレイクのゲームを経て、この日は3人の教員の授業を受けました。

一人目はMr.Ronan Santos先生。「エレベーターに乗り合わせた上司に、短い時間でどのように自分を印象付けるか」というテーマでワークショップを行ってくれました。

二人目はDr.Lyndon Avendano先生。Sustainable Business Practicesというテーマで講義をいただきました。トヨタやユニクロなどの例を挙げ、企業の社会的責任(CSR)に関する授業を行いました。

昼食を挟んで三人目は、Enderun College卒業生のDominic Franciscoさん。大学で起業家精神を学んだ後、フィリピンの市民の足となっているジープニーの電気自動車化に取り組んでいるフィリピン企業の経営に関わっている方で、その活動の報告を頂きました。今回の研修では、後日、電気自動車版ジープニー(eGeepny)に実際に載せて頂ける予定になっています。

研修を終えて生徒からは、「英語の聞き取りが難しい」、「もっと英語を勉強しておいたら良かった」という声も聞かれましたが、熱心に英語を聞き取ろうと努力している姿勢をみて、良い研修のスタートが切れたなと感じています。

4日目 8月5日(火)

 今日は朝からマニラ都心部にあるアジア開発銀行(以下ADB)の本部に研修へ出かけました。アジア開発銀行は、アジア・太平洋地域の持続可能な発展に貢献する事を目的として設立された国際開発金融機関で、日本が最大の出資国となっています。

 初めに、Macroeconomics Research Divisionの部門長から、ADBの概要と理念についてお話し頂きました。データを交えて、アジア・太平洋地域の課題(貧困や高齢化、自然災害)を話して頂きました。専門的な話ですが、有難いことに、本校生徒のために専門的な単語は極力使わず、わかりやすい英語をつかって講義をして頂きました。講義のあと、本校生徒からもトランプ大統領の関税に関する問題や、アジア地域の高齢化など、多くの質問があり、さすが三丘生だなぁ、と感心しました。

 次に、ADB CAREER JOURNEYと題して、ADBで働く3人の日本人職員に登壇いただき、現在担当しているプロジェクトや、ADBで働くまでのキャリア、途上国支援に興味を持ったきっかけ等について話をして頂きました。生徒には非常に印象深かったようで、こちらも将来のキャリアの考え方や、モチベーションの維持の方法など、活発な質疑応答が行われました。 

 ADBの食堂で食事をとった後、午後からEnderun Collegeで研修です。

この研修の目標は、本校生徒が4月より取り組んでいる「社会課題解決型のビジネスプラン」について、バディの生徒とともにブラッシュアップし、最終日にそのビジネスプランを英語で発表する事です。午後はバディの生徒とビジネスプランの検討に入りました。

Enderun Collegeのバディの生徒は、全員が高等部卒業時に、ビジネスプランを作成し発表しています。毎年、バディからの様々なアドバイスから本校生徒は多くの事を学んでいます。今年も、生徒たちは英語で熱心に議論し、検討に検討を重ねています。終了時刻は17時を予定していましたが、どのグループも議論が盛り上がり気づけば17時を大幅に超えていました。研修後、バディからは、生徒たちが非常に熱心で素晴らしいと聞きました。また夜のミーティングでは、わからない英単語を辞書で調べたり、日本人同士で解決するのではなく、バディに直接英語で質問することの重要性が共有され、生徒たちのモチベーションの高さが伝わってきました。残り四日間、充実した研修となる事を引率教員一同願っています。

6日目 87日(木)

 フィリピン研修も残すところ後三日。今日はとても濃密な一日でした。

 早朝530にフィリピン特有の乗り物であるジープニーで宿を出発し、宿舎近くの公立小学校Gat Andres Bonifacio Elementary school(通称GABE)へ。子どもの数に対して校舎の数が足りていないため、学校は午前の部、午後の部に分かれており、午前の部は早朝6時に始業です。

 門をくぐった途端、自分たちがハリウッドスターになったと勘違いするほどの嬌声があちこちから上がり、6年生の鍵盤ハーモニカの楽隊と、日本、フィリピン両国の国旗を振るたくさんの小学生に歓迎されました。オープニングセレモニーでは、両校の児童、生徒が練習したダンスを披露しました。

日本とフィリピンは、ともに地震、火事、水害、土砂災害の多い国です。防災・減災をテーマに探究を行う本校生徒からは、事前に用意していた防災に関するクイズのアクティビティが披露され、GABEの生徒は真剣にクイズに取り組んでくれました。楽しんで防災の知識が学べる有意義な発表になりました。

その後、Dream Exchange Programと題して、お互いが事前に用意した「将来の夢」を英語で発表し合いました。キラキラした目で夢を語る小学6年生の姿は、上手く言葉にできないですが確実に本校生徒の心に大切なものを与えてくれたと思います。その後、お互いの国の伝統的な遊びに興じていると、あっという間に3時間以上が過ぎ、10時からはエンドラン大学での研修へ。

午前中は、明日に控えたビジネスプランプレゼンテーションのために、バディの生徒とビジネスプランのブラッシュアップ。GABEで心を開かれた生徒からは、活発な議論が生まれました。昼食ではエンドランカレッジの新学長Dr.Jun Salipsipが顔を出してくれ、本校生徒とともにテーブルを囲み、生徒たちと気さくに話をして頂きました。

午後は学長による講義Agriculture & Businessで始まります。フィリピンの農業が直面する問題点や、その解決の可能性についてわかりやすく講義して頂き、生徒からは農業人口の減少を止める方法や、農業収入を改善する方策など様々な質問があがりました。

更にこの日は、本校の研修参加生徒の友人の父親が、在フィリピンイタリア大使であるという縁から、大使本人にお越し頂き、キャリアに関する考え方や、リーダーシップについて講演を賜りました。リーダーシップについて、幾つかの要素を示して頂きましたが、一番初めに「人の話を聞く事」を挙げていたのが印象に残っています。ここでも、生徒からは多くの質問が挙がり、大使には予定時間を超えて対応して頂きました。

講義が終わり、予定ではここで本日の研修は終了のはずでしたが、全ての生徒が教室に残り、明日の発表に向け準備をしていました。今日の生徒達のやる気には脱帽です。また、教室に残りプレゼン作成に付き合ってくれたバディの生徒にも心から感謝します。

いよいよ明日はエンドラン大学での研修最終日。この文章を書いている今(現地時間21時過ぎ)も、部屋の外からプレゼンの準備をしている生徒たちの声が聞こえてきます。明日の発表がうまくいくことを、心から願っています。

 あらためて詳しい動きを知ると、この研修がいかに凝縮したプログラムで構成されているのかがわかります。1秒も無駄なく学び続けている三丘生の姿が目に浮かびます。言い換えれば、三丘生にしかできないプログラムなのかもしれません。

 文章を読んでいただいたうえで写真を見たら、フィリピン研修へのイメージが変わるかもしれません。一連の記事を読んでくれた中学生が、フィリピン研修に魅力を感じ、三国丘高校を(フィリピン研修を)めざしてくれたら、こんなに嬉しいことはありません。

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②.jpg エンドラン大学の学長先生に、茶器をプレゼントしました。 

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