SSH生徒研究発表会は、文部科学省と国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が主催して年に一度開催される研究発表の全国大会です。全国から、SSH指定校等238校の代表生徒が神戸国際展示場に集結しました。三国丘高校の代表として発表会に臨んだのは、CSⅢ物理班。人呼んで「いかさまサイコロ班」です。
「いかさまサイコロ班」と聞くとイメージが良くないように思いますが、この班の研究手法は正統派の実験です。学校にある3Dプリンターで自作したサイコロを何千回も転がして出た目を集計し、理論値との整合性を検証しました。気の遠くなるような作業です。
私は、この班の存在を知った時、三国丘高校らしい(良い意味で)ヤバい集団が出てきたなぁと思いました。前回、発表を聴いた時にはサイコロの中に作った空洞の位置によって出る目が偏ることを証明したところまででしたが、今回は、研究の範囲がその先まで進んでいました。実験値が理論値と微妙にズレているところに焦点を当て、その原因を突き止めるところまで理路整然とした研究成果の発表が聴けました。流石は三国丘高校、流石は「いかさまサイコロ」チームです。努力に努力を積み重ね、その結果得られたデータに真摯に向き合う姿勢が素晴らしいと感じました。
引率してくれた先生によると、準備のため前日から神戸に宿泊していた生徒たちは、23時を過ぎるまで本番の練習をしていたそうです。本番では、写真のように毎回たくさんの人に集まってもらい、原稿に一切頼らず、大きな声で堂々と発表していました。発表後の質問タイムでも多様な質問に丁寧に答えている姿が印象的でした。
この日、発表したのは、公立私学を問わず各都道府県のトップ校を含む錚々たる学校です。こんなに素晴らしい環境で自分たちの研究成果を発表できる機会に恵まれているというのは、それだけでも三国丘高校に進学する価値だと思います。
中学生のみなさん、私は、学校説明会等の折にいつも「学校選びの基本は学習環境を比較することだ」と言っています。ここで言う学習環境というのは、デラックスな校舎でも美しいトイレでもありません。その学校でしか経験できない学習機会のことを言っているのです。このブログを読んでくれた人は、わかってもらえたと思います。「いかさまサイコロ班」は、願ってもない貴重な経験を楽しんでくれました。お疲れさまでした!