「大切なもの」 感謝を伝える卒業式

 今日行われた78期生の卒業式。卒業生が選んだ歌は「大切なもの」(作詞作曲 山崎朋子)でした。

 大切なものに気づかないぼくがいた

 ひとりじゃないこと 君が教えてくれた 大切なものを・・・

 「卒業の歌」は例年、卒業生が舞台の方を向いて歌うのですが、今年は保護者席に向き直って歌いました。歌詞にあるとおり、家族を含め三丘生として過ごした3年間を支えてくれた人たちに感謝の気持ちを込めて歌いました。

 張りつめた空気の中粛々と進む式も後半になると、閉式するのが寂しいような気持ちになりました。三国丘高校で経験したことが、卒業生たちの生きる力になることを心から願っています。

 写真の後に、校長式辞を載せました。多くの方々に読んでいただければ嬉しいです。

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第78回卒業証書授与式 校長式辞

 78期生のみなさん、卒業おめでとうございます。

この3年間、平坦な道のりではなかったと思いますが、振り返ればあっという間でしたね。

みなさんの入学式は、令和5年4月5日。この日は、最高気温が21度を超えるポカポカ陽気でした。

目を閉じて、あの日から今日までのことを思い浮かべてみてください。辛いことや苦しいこともたくさんあったと思います。

今日はみなさんの3年間を見守り、支えてくださった方々にご臨席をいただきました。三丘同窓会長 ○○様、PTA会長 ○○様とお二人の副会長様、そして、定時制准校長の○○先生です。

お忙しい中お越しいただき、心から感謝を申しあげます。

保護者の皆様もこんなにたくさんお越しいただきました。

今日は、みなさんと一緒に、78期生の門出を祝おうと思います。

さて、先ほど私は、みなさんに、この3年間の出来事を思い浮かべてくださいと言いました。

どうでしたか? 辛かったことと楽しかったこと、どちらがたくさん思い浮かびましたか? ほとんどの人は、楽しかった出来事の方が圧倒的に多かったのではないでしょうか?

普通の式辞なら、楽しい想い出がたくさんある高校生活は素晴らしい...と言うところかもしれませんが、私は、そうは言いたくないのです。

人間には「ポリアンナ効果」と呼ばれる心理的な傾向があるそうです。

ポリアンナというのは、アメリカの作家エレノア・ポーターが残した児童文学作品「少女ポリアンナ」の主人公の名前です。

11歳で父親を亡くし天涯孤独となったポリアンナは、子ども嫌いのポリーおばさんのもとで育てられます。そんな境遇でも、父親から教わった「嬉しくなるゲーム」を続けることで、どんな状況でも喜びを見つけることを心掛け、周囲の人やポリーおばさんの心まで開いていくというお話です。

「嬉しくなるゲーム」というのは、どんなに些細なことでも、たとえそれが自分にとって辛く苦しいことであっても、捉え方を変えて「嬉しいこと」にするゲームです。

いつもポジティブに生きた少女ポリアンナにちなんで、ネガティブなことよりポジティブなことのほうが記憶に残りやすいという心理的な傾向のことを「ポリアンナ効果」と名づけたそうです。

 

私は、みなさんに、ポリアンナのように生きてほしいのです。

もし、それが無理でも、ポリアンナに寄り添える人になってほしいのです。

みなさんが直面している人生の岐路も、時にネガティブにしか映らないかもしれません。けれど、ポリアンナならポジティブな解釈をするはずです。

この先に続くみなさんの人生には、楽しいことや嬉しいことがたくさんあります。そして、それと同じくらい辛いことが待っているのです。

あなたにとって、その辛いことが石ころくらいの大きさなら、蹴とばすこともできますが、岩石だったら立ち尽くすかもしれません。

でも、大丈夫です。どんなに辛いこともポリアンナ効果が、ポジティブな想い出に書き換えてくれます。

小説の中のポリアンナは、その後、大きな事故に遭い下半身不随となります。さすがの彼女も「嬉しくなるゲーム」ができなくなってしまいました。

そんな時、助けてくれたのは、他でもない、彼女のポジティブさに助けられた人たちでした。勿論、子ども嫌いだったポリーおばさんも、そのうちのひとりです。

ポリアンナの生き方は、自分を助け、まわりの人を助け、最後には自分が助けられたのです。

みんなはもう気づいていると思いますが、78期生の強みは、何と言っても、仲間と一緒に頑張れることです。

体育祭も文化祭も修学旅行も、受験勉強だってみんなと一緒に頑張るという意識が強かったから、乗り切れたし、誇れる成果も得ることができました。

行事でも勉強でも、上手くいかずにもがいていたあのころの光景を、心の中で再現してみてください。気づかずにいたかもしれませんが、仲間の中にポリアンナのようにポジティブな人がいたはずです。

私は、あなたの近くにはいつもポリアンナがいるということに気づいてほしいのです。

そうすれば、あなたは、仲間が辛い思いをしている時、そっとそばにいることができる、そんな人になれます。絶望の淵にあったポリアンナを勇気づけた人たちのように...。

卒業式も大事な想い出です。今のうちに周りの仲間の顔を見ておいてください。一生に一度の今日です。

辛くて辛くて、息もできないと思い詰めたとき、仲間の顔を思い浮かべるのです。今日の私の話を思い出してください。

辛さや苦しさは、すべてポジティブな想い出に書き換わることを信じてください。

78期生のみなさんへの私からのメッセージは以上です。

最後の最後に、もう一つだけ、とても大事なことを言います。

よく聴いて、忘れないようにしてください。

岩石のように大きな課題に直面し、仲間の顔を思い浮かべても、今日の話を思い出しても、やっぱり自分はポリアンナのようには生きられないと塞ぎ込んだときは、迷わずここに帰ってきなさい。三国丘高校はみなさんの「家」です。

だから、78期生のみなさんを送り出す一言はこれに決めました。 「いってらっしゃい」「元気でな」

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