本校の多目的ホールが満員になったのは、本当に久しぶりです。それだけ関心が高いということだと思います。(写真をご覧ください)
まずは、本校進路指導主事の中屋から、2025年春の進路状況等についてお話しさせていただきました。現役志向がますます強まる中、この春大学を受験した77期生は100人以上が浪人しました。浪人生が増えることは悪いイメージで捉えられがちですが、本校は府立の進学校の中でも際立って浪人生が少ない学校でしたので、(誤解を恐れずに言えば)決して悪いことばかりではないと考えています。この日、中屋も浪人生が増えたことの解釈について話をしました。
当たり前のことですが、全員が第一志望校に合格することはありません。模擬試験の結果を見て志望校を下げる生徒がいますが、毎年、そのうちの数人が仮面浪人をするそうです。仮面浪人というのは、大学に籍を置きながら再度大学受験にチャレンジするということです。進学はしたものの、やっぱり夢を諦める(自分を納得させる)ことができず、第一志望校を受験し直すのです。相当の覚悟とリスクを伴います。この春卒業した77期生は多くの生徒が第一志望の大学を受験しました。志を下げなかった結果多くの生徒が浪人という道を選びました。卒業式の日に「浪人することにしました」と報告に来てくれた生徒の顔はみんな清々しく、とても良い表情でした。保護者にとっては経済的負担など厳しい決断であったかもしれませんが、我が子にこの道を選ばせたことを後悔することはないと思っています。
最後に、中屋が「保護者のみなさんへのお願い」として示した4つの事柄を紹介します。
①黙って見守る ②関心を持ち、話を聴く ③予め受験や大学選びの条件(浪人・下宿など)を話し合っておく ④受験費用、進学費用の準備をしておく
続いて演壇に立ったのは、河合塾天王寺校の佐藤校舎長です。お願いをして来ていただきました。合格を勝ち取るには...というような硬い話だろうなと思いながら聴き始めたのですが、予想は完全に覆されました。お話の中から、保護者のみなさんの役に立ちそうなものを二つご紹介します。一つ目は家庭学習時間です。学年プラス2時間が学習時間の最低の目安ということでした。1年生なら1+2の3時間、2年生なら2+2の4時間です。普段の授業を大事にしながら、この学習時間を確保することが必要と仰っていました。何度も申しあげているとおり、三国丘高校は受験勉強だけ頑張らせる学校ではないので、生徒はめちゃくちゃ忙しいです。今朝も校門に立って登校してくる生徒に挨拶をしていると、片手に教材(問題集のようなもの)を持ちながら歩いている生徒がいました。「頑張ってるなぁ」と声を掛けたら、にこっと笑ってくれました。目安となる学習時間を確保するためには、1限目が始まるまでの時間や業間の休み時間、休日に部活動があったときは部活動前後の少しの時間などを有効活用することが大事になってきます。家で一人で勉強するより友だちがいる場所で問題集を開く方が捗ることもありますし、学校なら先生に質問することもできます。3時間とか4時間とか言えばとても長いように感じますが、工夫次第でなんとかなるものです。
もう一つは、佐藤さんが残してくれたメッセージです。受験は、ちゃんとした大人になるためのきっかけに過ぎません。どこの大学・学部・学科に行くのかは自分で決める。これに尽きます。そのために、ちゃんと調べることは重要です。本人にとって良い選択をしてほしい。「良い」とは、何かと比べて出てくる言葉です。なんでこっちの方が良いのか、聴いてあげてください。決して押しつけないように...。もう一つ、熱中していることを大切にしてあげてください。人は、熱中している時が一番幸せなときだと、私は思っています。三国丘高校の先生方は、きっと熱中してお子様の高校生活を支えてくださっています。先生方を信じて、良い高校生活をお子様に送っていただきましょう。保護者の皆様も、ご家庭のこと・お仕事・近所付き合い・子育てなど熱中してください。そんな姿は、お子様はちゃんと見ています。失礼を顧みずに言わせてもらいますが、予備校の校舎長からこんなに温かいメッセージをいただくとは思っていませんでした。我々教員はさらに気を引き締めて生徒たちを後押ししなければと感じました。ありがとうございました。