「ようやくクマゼミの声が聞こえなくなりましたね」と、今朝出勤時に一緒になった先生と話していました。しかしながら、まだまだ蒸し暑く、今日も大阪は12時にWBGTが31.0℃に達したようで、これで、熱中症警戒アラートが発表される基準となるWBGTの値が31.0℃を観測した日は、この夏32日めになります。2006年の観測開始以来、群を抜いて厳しい暑さとなった昨年の36日に迫る勢いです。昨年の記録を見ると、9月20日まで31.0℃を越えていたので、もうしばらくはこの暑さと付き合っていかなければならないかもしれません。皆さん気を付けてくださいね。
さて、今日は3時間めに1年3組で行われた「地理総合」の授業を見学しました。担当は日下泰一先生です。
夏休み明け最初の授業は、1学期の続き「プレートの運動と火山活動」について復習しながら学びます。冒頭に先生が仰いました。
「今日は初めに皆さんに見てほしい動画があります。」
ちょうど昨日公開された内閣府が作成した「富士山の大規模噴火と降灰の影響」というタイトルの約10分のシミレーションを含む映像です。富士山は、日本に111ある活火山の中でも度々噴火を重ねてきた火山の一つですが、1707年宝永噴火以来300年以上も起きていないので、いつ噴火が起きてもおかしくないと言われています。そのため、今回、富士山が噴火したらどのような状況になるかを知り、私達にその心構えをしておく必要がある、と、内閣府が作成したのでしょう。
日本一高く、世界的にみても立派な成層火山である富士山は、それだけ多くの噴火を重ねてきた証です。溶岩流やスコリアの噴出、火山灰の降灰、ときには噴出するマグマの液体と気体成分が分離せずに時速100㎞を超えるスピードで一気に山裾へ流れ下る火砕流等を繰り返してきました。
内閣府が作成したイメージ動画は、なかなかショッキングなものでした。しかし、映し出された映像の一つ一つは、細かいところを除き、確かな科学的根拠に基づているものです。
富士山の南にある箱根山は、芦ノ湖というカルデラ湖があり、有名な観光地になっていますが、かつては富士山のような成層火山だったと言われています。成層火山の中には、活動期の終盤に大噴火をして火山全体がボコッと凹んでカルデラを作るものがあります。箱根山は昔の富士山で、今の富士山もやがては箱根山のようにカルデラを作るだろうと言われています。この時想像をはるかに凌ぐ大噴火になることでしょう。
カルデラで有名な阿蘇山は約9万年前の大噴火によって、現在の大きなカルデラが作られたと言われています。なんとその時発生した火砕流は九州の北半分を覆ったばかりか、現在の山口県徳山市まで達したことが分かっています。
地球は、人間が住み始めたから火山活動を控えておこう、とはおそらく思わないでしょう。近年、たまたま大規模な噴火が起きていないだけのことです。授業は、そんなダイナミックな地球の活動について、プレートの運動に伴って火山の分布を理解できるよう、プリントに沿って分かりやすく進められていました。
生徒達は熱心に学んでいました。有難うございました。