〈最先端〉生成AIを相手に討論する政治経済の授業

 何かと話題の生成AIですが、これを取り入れた最新の授業が行われています。授業者は、公民が専門の大塚教諭(首席)です。大塚先生は、論文を発表したり研修会の講師をつとめたり、忙しい先生です。今年度は、府立高校の社会科教員対象の研修でも講師をするそうです。

 その大塚先生が、生成AIと生徒が討論する授業をするということで、教育庁(教育センター)から指導主事が視察に来てくれました。おもしろそうなので、私と教頭先生も一緒に見学に行ってきました。3年生の「政治経済」の授業です。

 生成AIは便利である一方、情報が必ずしも正確だとは限らないなど、使用に際してはいくつかの留意点をしっかり理解しておくことが必要です。三国丘高校では、授業等で活用する旨及び学校として留意する点等について文書で保護者に理解を求めるとともに了解をいただき、さらに、実際に活用する場面では、生成AIの特質や注意点について纏めたパワーポイントを用いて、事前に担当者が生徒に説明することとしています。この日も、授業の最初に、このパワーポイントを使った説明があり、いよいよ討論の時間がやってきました。

 生成AIに、ある立場からの意見を述べてほしいと入力すれば、生成AIは自分の意見を述べてくれます。それに対して生徒が反論を入力すれば、生成AIは、その意見に対して反論します。こうして、生徒と生成AIとの間で討論が成立するわけです。グループに分かれて討論が始まりました。政治経済の授業ですので、自分だったらどんな政策を選ぶかというテーマです。消費税はどうするのか...医療費は...年金は...、課題は山積しています。人間同士の議論だと考えこんでしまい、時間ばかりが経過してしまいますが、生成AIだと躊躇なく端的に反論してくれます。

 生成AIも、こんな使い方だと、不正確な情報をもとに反論してきたとしても、その真偽を調べたうえで反論に繋げることができます。生成AIを相手にすることにより、学習の幅が広がります。

 授業の後半には、各グループが考えた政策を出し合う時間がありました。消費税0%とか、逆に25%とか、年金を大幅に減らすとか、いろんな政策が出てきました。次の時間は、それらの政策が経済に及ぼす影響について考えるんじゃないかと思います。自分の高校時代にもこんな授業があったらおもしろかっただろうなぁと思いました。生成AIを言い負かそうと、頭を寄せ合って必死に考えている生徒たちの姿が印象的な授業でした。

2.jpg 1.jpg

 

カレンダー

2025年6月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30