すばらしい卒業式でした。

本日(2月26日火曜)、10時より本校体育館にて、第30回の卒業式を行いました。

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朝から時おり雨がパラツク天気でしたが、男子127名、女子128名の計255名は、元気に本校を巣立っていきました。

府教育委員会のご代表、PTA・後援会・紫友会の役員、地元中学校の関係者、旧職員をはじめ、多数の保護者の方に参加して頂き、厳かな雰囲気の中で卒業式を進めました。

クラス代表生徒に卒業証書を授与するとき、受け取る生徒の晴れやかな笑顔に感動しました。また、「別れのことば」では、スクリーンに映し出された写真を背景にして、生徒6人が卒業に当たってのそれぞれの思いを、素直に言葉で現してくれたことにも感動しました。

1時間半の間、2年生も3年生も、たいへん静かに、卒業式に臨んでくれました。このような、皆さんのりっぱに成長した姿にも感動しました。

30期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

堺西高校 校長

大阪府立堺西高等学校 第30回卒業証書授与式校長式辞

校庭では梅の花が咲き始め、春の訪れが間近に迫っていることを感じます。

大阪府立堺西高等学校第30回卒業式を挙行いたしましたところ、大阪府教育委員会のご代表をはじめとして、日頃よりご支援を賜りますPTA・後援会並びに紫友会のご代表、中学校の校長先生、旧職員の皆さま方など、多数のご臨席を賜り、巣立ちゆく若人の門出を祝福していただき、厚くお礼を申し上げます。

また、ご多忙の中、ご参列いただきました保護者の皆さまには、さぞかしお喜びのことと拝察し、心からお祝い申し上げます。

 卒業生は、ただ今卒業証書を授与いたしましたとおり、男子127名、女子128名、計255名でございます。本校は今年30周年の記念式典を行いたしますが、この30年間に卒業した生徒数は、約一万三千人に達する状況です。改めて、本校の歴史を感じる次第です。

卒業生の皆さん、卒業おめでとう。今、皆さんの心の中には、この3年間の再び巡りくることのない青春の貴重な思い出が、たくさん得られたことと思います。そして、堺西高校で学び、成長し、本日卒業を迎えたことは、皆さん方の3年間の努力の結晶であるとともに、これまで慈しみ、育んでこられた保護者やご家族の愛情、そして共に学び、励ましあった仲間の友情、また時には優しく時には厳しく、教え導いてくれた先生方の支援、これら大勢の人に支えられたものであることを忘れてはなりません。

 さて、卒業式は、終着点の場であり、新たな出発の場でもあります。これから、皆さんは社会に向かって、それぞれが新たな旅立ちを迎えることになります。この社会には厳しい面が多々あります。現在、わが国においては危機感や緊張感が失われた時代に入ったということをよく聞きます。一生懸命にならなくても、自己中心で、なんとかやっていける。そういう時代になったと言う人もいるでしょう。果たして、それでいいのでしょうか。

 皆さんが生まれる以前のことですが、一人で30年間生き続けた小野田寛郎(おのだ ひろお)さんの話をしたいと思います。かって日本には太平洋戦争を起こした悲惨な歴史があります。小野田さんは、日本の敗戦を知らず30年の長きにわたって、一人でフィリピンのルバング島で生き続け、発見されたときは52歳になっていました。小野田さんの発見に日本中のメディアは驚き、軍国主義の亡霊だという批判もありましたが、多くの人の心を感動させました。私は、帰国した後の小野田さんの生き方にも感動しました。「祖国のため、健全な日本人を育成したい」と「小野田自然塾」を主宰し、80歳を超える高齢にもかかわらず、現在も青少年の育成に奮闘されているということです。

 先日、小野田さんが書いた「君は一人で生きられるか」という書を読みました。発見された当時、「一人になっても行き抜いた男」としてメディアに大きく取り上げられましたが、ご本人は、とんでもない誤解だというのです。それは、服装や食べ物はジャングルであっても容易に手に入るわけではなく、ほとんどが近所の人からもらい、多くのフィリピン人に助けられたというのです。つまり、「私たち人間は一人では生きられない。」と強調されています。小野田さんの言葉に、「魚は水の中だけでしか生きられない。人は人の中だけでしか生きられない。」というのがあります。小野田さんの生き方から、平和の大切さと、人が生きるために社会の中で適応することの大切さを、学ぶことができます。

では、社会に適応するとは、どういうことでしょうか。自分だけの幸せを望むのではなく、家族や周りの人の幸せも願い、共に安心して暮らせるよう努力することです。人としてお互いを尊重し合うことは当然のことであり、周りの人々と共に幸せを感じることができる社会を願うことは、人としての道です。

また、楽をして、幸せを掴むこともできません。楽な道を求めるのではなく、あえて、「困難な道」を選んでゆく勇気を持ってください。昔からのことわざに「艱難(かんなん)(なんじ)を玉にす。」というのがあります。艱難とは、苦労や困難であり、艱難に逃げず、克服することで、あなたは玉になる。つまり、苦労して、りっぱな人になるという意味です。皆さん方一人ひとりが、精一杯努力することで、あなた方は玉になり、そして周りの人も幸せになれる社会がきっと築かれると確信しています。

自分の道は自分で切り開かなければなりません。皆さん方が堺西高校で培った力をバネにして、本校の校章である翼、飛翔のごとく、社会に羽ばたいてくれることを念じています。

 最後に、卒業生の皆さん、皆さんは、他の人に援助をしたり、支えたりして、社会に立派に貢献できる人であること、そして皆さん一人ひとりは、この社会でなくてはならない大切な人であることを忘れないでください。

ご卒業おめでとう。心から皆さんのお幸せを祈ります。

 平成20226日 大阪府立堺西高等学校長 紺野 昇

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