令和2年度が終わろうとしています。今年度から堺西高校に着任したのですが、4月5月とふた月の間、生徒の顔を見ることができずに過ごすことになりました。もちろん、その間にも校長として多くの業務が、特にコロナ感染症対策及びそこから派生する諸課題に関する業務がありました。しかし、学校というのはやはり生徒たちの声が校内に満ちあふれる状態で様々な教育活動が活発に行われているのが望ましいことは言うまでもありません。6月に入り、正門のところで登校してくる生徒たちに挨拶をし始めて、やっとこの高校の教員になったという感慨を抱きました。
それまで延期していた行事や活動と例年行っている行事や活動とを残りの期間でいかに実施していくか。しかも、より厳しさを増し、日々異なる展開を見せるコロナ禍への対策をしながら、どのように充実した教育活動をおこなっていくか。加えて、本校は体育・芸術創造コースを設け、行事や部活動などの活発さを特色としているので、それらを確保しながら活動を展開する必要がありました。行事や部活動に関して、実施の可否をこれほど多く判断しなければならなかった年度もめったにないでしょう。感染症対策という理由がありますから中止にするのは簡単ですが、それでは全人的に人を育むという学校教育の根幹を保つことが難しくなります。もちろん、日々のふだんの授業が大切なのは言うまでもありません。でも、その授業をより活性化するためには特別活動が充実している必要があります。メリハリがあり、バランスのとれた教育活動の展開が学習も特別活動もその質を高めるのです。
まさに刻々と変化する感染症の状況とそれに合わせた文部科学省、教育庁の指示、学校関係者の体調不良に伴う検査の結果待ち状態などに対応しつつ、判断、判断、判断の日々が続きました。教職員も例年と異なる事態に即応していくのに大変だったと思います。保健福祉部を中心に毎日の健康チェックを実施し、関連した保護者宛ての文書を毎月ほど配付しながら、学校全体で感染症対策に取り組む雰囲気を維持しつづけました。
そうした中でもおかげさまで西高祭文化の部、体育の部をはじめとして主要な行事をすることができました。部活動もできる範囲で活発な取組を行なえたと思います。一方で、修学旅行をはじめとして、やむをえず実施できなかった行事などについては、強い残念の思いが今もあります。修学旅行ついては、代替の行事を計画中です。
今年度、本校の教育活動につきまして、皆様にはご理解とご協力をいただき、ありがとうございました。来年度も引き続き、ご支援を賜りますようによろしくお願いいたします。
生徒のみなさん、コロナ禍のなかでいろいろと大変だったこともあるかと思いますが、よく努力しました。来年度も充実した学校生活を送れるようにがんばりましょう。