始業式・入学式を行いました

昨日、大阪府の新規感染者数は、過去最高の878名、感染拡大が止まりません。

現在、大阪市には「蔓延防止等重点措置」が適用され、大阪府には、医療非常事態宣言が発出されています。

そんな中、本日、午前中に2・3年生の始業式、

午後からは入学式をおこないました。

いよいよ、新しい1年の始まりです。

緊急事態の終息まではもう少しかかりそうですが、生徒の皆さんにとって1度きりの高校生活が、

楽しく、成長するものであってほしいと心から願います。

始業式の挨拶は、以下のとおりです。

依然として感染症の拡大が収まりません。

それどころか、第4波と言われる感染拡大が起こっており、大阪市には「蔓延防止等重点措置」が適用されました。また、医療のひっ迫が緊急を要する状況となっています。

第3波までと異なり、10代、20代の若い世代の感染率が高くなっており、学校生活においても最大限の感染防止対策が必要となっています。

これまで以上に、個人の対策をしっかりと行い、感染防止を心掛けてください。

そんな中、いよいよ新年度の始まりです。

先生方の異動もありました。

本来であれば、今日、体育館で始業式、着任式をするところですが、感染防止の観点から、始業式を放送で行い、着任式、離任式は明日学年ごとに密を避けて実施することにします。

さて、新たな1年を迎える皆さんに、今日紹介したいのは「ノミの法則」という話です。

これは、実際の実験に基づく話で、皆さんの中には、聞いたことのある人もいると思います。その人も、もう一度、新たな気持ちで聞いてください。

皆さんは、ノミという小さな生き物を知っていると思います。

人に寄生をする生き物で、良い印象はありません。

そのノミを、高さ3 0 ㎝ 程のビンに入れて、透明のフタをかぶせます。

すると、自分の大きさの100倍、1mほどのジャンプ力があるノミは、ビンから逃げ出そうと、何度も何度も跳びあがり、

その都度、フタにぶつかり続けます。

しばらくそのままにしておくと、やがて、ぶつかるのが嫌になり、

フタに届かないところまでしか跳ばなくなってしまうそうです。

では、そのノミをビンから出してやると、どうなるでしょうか。

なんと、そのノミは、フタがない状態にも関わらず、ビンの高さであった3 0 ㎝ 以上跳べなくなっているのです。

フタに邪魔をされて、30cmしか跳べなかったノミは、時間の経過とともに、自分には跳ぶ力がないと思い込み、自分で限界を決めてしまうようです。

では、もう一度1 m の高さまで跳ばせるためには、どうすれば良いのでしょう。

方法は簡単で、「1 m 跳んでいる仲間の近くに連れて行く」ことだそうです。1 m 跳んでいる仲間を見せてやることによって、跳べていたころの過去の自分を思い出し、やがて跳べるようになります。

これはノミを例にした話ですが、このような習性は、いろいろな生き物に見られます。そして、私たち人間の行動にも重ねることができます。

過去の体験や、思い込みが、知らず知らずのうちに自分の限界を下げていくのは、良くあるケースです。心当たりのある人もいると思います。

つまり、最終的に自らの能力の限界を決めるのは、他の誰でもなく、あくまでも自分自身であるということです。

また、人は周りの環境によって、「プラス」にも「マイナス」に作用されます。自分だけでは難しいと思っていたことが、意欲の高い集団の中で周りに引っ張られて、できるようになることも珍しくありません。

そこで、年度初めにあたり、皆さんに伝えたいことです。

まずは、自分自身の力を信じ、過去ことをネガティブにとらえるだけではなく、未来のことを考えて1日1日を送ってください。失敗した経験に縛られるのではなく、自分の力を伸ばすことを考えてください。

そしてもう一つ、お互いがプラスの方向に相乗効果を生む、クラスや学年にして欲しいということです。それぞれ、考え方や、得意なことや、進む方向性が違ったとしても、お互いを認め合いながら、共に成長する仲間であってほしいと思います。

先日、急性白血病から見事復活し、見事、オリンピック出場を決めた水泳の池江選手の活躍が、日本中に感動をもたらしました。

彼女はレース後のインタビューで「自分がすごくつらくてしんどくても、努力は必ず報われる。」と私たちにメッセージを送ってくれました。

もちろん、どんなに努力をしても、彼女のように、思い通りの結果が必ず訪れるとは限りません。むしろ、そうでないことの方が多いと思います。

しかし、重要なのは結果が ○ か × かということではありません。

「報われる」とは、「努力したことが自分に返ってくる」ということです。その時の結果はどうあれ、努力は必ず未来に向けて積み重ねられます。

3学期の終業式に話をしましたが、新たな学年で求められることは、昨年度より一つ上のレベルです。

2年生は「進路の方向性を定め、そのための力を蓄える」、

そして、3年生は「2年間でつけた力をもとに、次のステージへチャレンジする」、

それぞれの活躍を大いに楽しみにしています。

1日も早く、感染症が終息すること、そしてこの1年間が、皆さんにとって、大きく成長する日々になること、

そして何よりも、全校生徒にとって、学校生活が安全で、楽しいものとなることを願い、1学期始業式の挨拶とします。