本日、3学期の始業式を放送で行いました。
校長のあいさつの後、生徒指導部からの話、
最後に、豊中警察署の方から「闇バイトに関する注意喚起」をおこないました。
挨拶の中でも伝えましたが、
3学期は、年度の締めくくりであると同時に、
来年度にバトンをつなぐ大切な学期
寒い日が続きますが、体調を整えて元気に過ごして欲しいと思います。
<以下、挨拶の抜粋です>
例年よりも少し長い9日間の冬休みが終わりました。家族や友人と共に時間を過ごした人、自分自身の時間をゆったりと楽しんだ人、あるいは部活に打ち込んだ人、皆それぞれの日々を送りながら、新年を迎えたことと思います。
2025年の干支はヘビです。ヘビには「脱皮を繰り返しながら成長していく姿」を例えて、「新しい自分に生まれ変わる。」とか「幸せな未来をつかむ。」といった素敵な意味合いがあるそうです。今年1年が、皆さんにとって、「新たな自分を作り上げていく素晴らしい年」になることを心から願っています。 そのためには、まず良いスタートを切ることが大切です。「一年の計は元旦にあり」と言われます。ぜひ、1年の目標と、その実現に向けた計画をしっかりと立ててください。
さて、今日は年の初めに当たり、今私たちが抱えている社会的な課題について少し話をしたいと思います。皆さんにも大きく関係する問題なので、ぜひ自分事として聞いてください。
それは、「社会の高齢化」です。
日本における「高齢化」は急速に進んでいて、現在、総人口に占める65歳以上の割合は29.3%、およそ10人に3人です。今後も流れは止まらず、10年から15年後には3人に1人の割合になると見込まれています。
これは、世界で最も高い割合です。因みにアメリカは17%、近隣の国を見ても、韓国が19%、台湾が18%です。一般的に、20%を超えると「超高齢化社会」と言われます。それを考えると、この状態は緊急事態と言えます。
そして、この深刻な日本の高齢化が、今年、「2025年問題」という、新たな課題を抱えることになります。それは、75歳以上の「後期高齢者」の増加です。
戦後の昭和20年代前半、日本には「第1次ベビーブーム」と呼ばれる、年間出生数が250万人を超えていた頃がありました。その時に生まれた方が全て75歳以上になる節目の年を迎えるからです。
ちなみに、今年75歳を迎える方は、全国でおよそ200万人。昨年の出生数がおよそ70万人なので、その、およそ3倍の数です。結果、日本の後期高齢者の割合は、全人口の20%程度、およそ5人に1人の割合になります。
「超高齢化」は社会に様々な影響をもたらします。
例えば、国民全体の中で「働く人の割合」が減るわけですから、生産性が低下をします。いろいろな所で人材が不足することも考えられます。さらには、高齢者に対する医療や介護、社会保障の問題など、多くの課題が出てきます。私たちは、それを乗り越えていかなくてはなりません。
もちろん、現在も高齢化に対応するための制度設計は進みつつあります。一般的に60歳であった定年が延長され、65歳が主流になろうとしています。近い将来、70歳、あるいはそれ以上の年齢で働くことが珍しくない社会になるでしょう。しかし、そのためには高齢者が働ける環境の整備が大きな課題です。
また、少ない割合の労働人口で国の産業を支えていくには、効率的な生産技術の開発が必要です。AIやロボットをはじめとする、オートメーション化を進めていかなくてはなりません。
このように高齢化する社会の中で、私たち個人ができることは限られています。ましてや高校生である皆さんには「何をして良いか」検討がつかないかも知れません。
ただ、何もできないわけではありません。力になれることは必ずあります。
道に迷ったお年寄りに声をかけてサポートしてあげたり、電車で席を譲ったり、そういった一人ひとりの小さな行動の積み重ね、思いやりが、もしかすると「超高齢化社会」を乗り切る、とても大きな力になるのかも知れません。
高齢者の孤独死が年々増え、年間7万人を超えると言われています。また、残念ながら、弱いお年寄りをターゲットに、金銭を奪うといった事件も、増加をしています。
これからの社会を創っていく一人の人間として、そして、いずれ必ず自分も高齢者になる立場として、ぜひ、この「2025年問題」をきっかけに、高齢化社会の中で「自分ができること」や「社会のあり方」について考えてみてください。
それでは、今日から始まる3学期、まずは、学年をしっかりと締めくくってください。また同時に、3学期は来年度に向けた力をつける大切な時期です。4月からの新しい自分に、しっかりとバトンをつないでください。