2学期終業式

年度の中心であり、行事などが多く実施された2学期が終わり、

最終日となる12月23日(月)、放送にて終業式を行いました。

終業式の挨拶では、

「SNSの正しい発信について」

「自転車の乗車マナー(交通ルールの遵守)について」

を中心に話をしました。

インフルエンザが流行しているのが少し心配ですが、

それぞれ安全で有意義な冬休みを送って欲しいと思います。

<以下、終業式の挨拶です。>

今日で2学期が終わりました。振り返れば、いろいろとありましたが、中でも9月に開催した「桜花祭」は、自治会執行部を中心に、全校生徒が一致団結し、素晴らしい行事になりました。

改めて、皆さん一人ひとりのパワー、そして、まとまりを実感しました。

また、年度の中心である2学期は、それぞれ学年ごとに、大きな意味がありました。

3年生は、進路実現に向けたチャレンジが本格的に始まりました。

高校の入試とは違い、多くの選択肢の中から次のステージを選ぶことは、なかなか大変なことだと思います。まだまだ入試シーズンは続きますが、粘り強くチャレンジし、自分が1番輝ける場所への進路実現を果たしてください。。

そして、2年生の皆さん、部活動をはじめ、いろいろな面で学校の中心となって活躍する立場になりました。皆さんは、高校生活のちょうど折り返し地点を迎えています。ぜひ、このタイミングで前半を振り、改めて1年後の自分自身のゴールを設定してください。自分で決めた目標であるからこそ、「やる気」に繋がります。あとは、ゴールをめざして前に進むだけです。

最後に1年生の皆さん。「コースの選択」や「科目の選択」は、迷うことがたくさんあったと思います。これから、大人になるにつれて、自分の考えで選ぶことがどんどん増えてきます。その力が作られる大切な時期が、高校の3年間です。これからも「部活」や「行事」に積極的に取り組んで、自分自身を大きく成長させてください。

さて、今日は終業式にあたり、2つのことについて話をしたいと思います。

1つめは、今、世界的な問題になっていることです。

先日、オーストラリアにおいて、「SNSの利用開始年齢を16歳以上」とする法案が可決されました。対象となるのは、TikTokやFacebook、Insta、X、といったプラットフォームです。

その主な理由は、「SNSによるいじめの防止」です。

誹謗や中傷によって心を痛めつけられ、自ら命を絶つ子どもが後を絶たないため、国が、この問題を放置できないという判断をしました。

このような動きは、他の国でもおこっています。

例えば、アメリカでは、フロリダ州において、すでに15歳のアカウント取得に保護者の許可が必要になっているのをはじめ、現在、50の州のうち、35の州が「何らかの規制」をしているか、もしくは検討をしています。

このことは、日本の国内においても大きな問題です。この冬におこなった調査では、国民のおよそ1割の人が、「今までにSNSで悪口などを言われたことがある。」と回答しており、「悪いことを言われた時にどのような気持ちになったか」という質問には、8割を超える人が「とてもいやな気持になった」と答えています。

いやな気持になるのはごく当然で、悪口を言われて良い気持ちになる人なんてこの世に一人もいません。しかし、残念ながら、誹謗中傷をする人には「自分だったらどういう気持ちになるか」という想像ができず、容赦なく、相手を傷つけているのが現状です。

なぜ、SNSによる誹謗中傷が多く起こるのかということについて、専門家は、その大きな要因として、発信者が「自分の正体をあかすことなく、匿名で攻撃できること。」にあり、このような書き込みをする人は「人を攻撃することによって、自分自身の不満やストレスを解消しているケースが多い」と分析しています。

法が整備されつつあり、書き込んだ人の特定や、被害者救済の対策は進みつつあります。しかし、未だ十分ではありません、

誹謗中傷は、「相手にとっても自分にとってもなんのプラスにもならないこと」は、少し想像すればわかることです。SNSが、本来の目的である「人と人とを繫げる」正しい目的で使われ、社会をプラスの方向へ導くことを願っています。皆さんも一度、自分自身の発信について振り返ってみてください。

二つ目は、自転車事故についてです。

今年に入り、本校生徒による自転車の事故が相次ぎました。中には、救急搬送されたケースもあります。幸い、今のところ命に関わるような大事故は起こっていませんが、いつ起こっても不思議ではない状況です。11月に道交法が改正し、自転車の交通違反が厳罰化されました。

理由は、自転車事故が多発しているからです。

昨年、年間で30万件の交通事故が発生しましたが、その内自転車に関する事故は7万件でした。数を見る限り、自転車はとても危険な乗り物と言えます。

スマホを見ながらの運転が厳罰化され、6か月以下の懲役又は10万円以下の罰金。そして、もし「ながらスマホ」の状態で交通事故を起こした場合は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金を科せられます。

加害者になった場合、一瞬で、人生が大きく変わる可能性のある自転車事故。被害者となった場合には、大けがや、最悪の場合、命を落とすことにもなりかねません。

これからの季節、寒さで路面が凍結したり、服を着こむことで視野や動きが制限されたりします。時間に追われて焦っている状況が最も危険です。登校時は、少し余裕を持って家を出ることを心掛けてください。

今日は「SNSの発信」と「自転車マナー」の話をしましたが、共通しているのは、「自分の行動がどういうことに繋がるかを想像する力」です。

一つひとつの行動が「自分にとってどうなのか」、そして「周りの人にとってどうなのか」を考えることのできる力を持ってください。皆さんなら、必ずできると思います。

インフルエンザが流行しています。手洗い、うがい、人ごみに行くときはマスクを着用するなど、感染対策を心掛けてください。

皆さんにとって、充実した冬休みになること、そして同時に、

来年が、皆さんにとって素晴らしい年になることを願っています。