8月25日(木)、1・2年生の授業が始まりました。
朝、放送で始業式を行いました。
式の中では、この2学期に本校で共に学校生活を送る留学生の自己紹介もありました。
世間では、コロナの感染がなかなか収束しませんが、
生徒が成長する2学期になることを願っています。
始業式の挨拶では次のようなことを伝えました。
今年の夏は、例年以上に暑さが厳しく、日本各地や世界各国で、最高気温が体温を大きく上回るような異常気象となり、豪雨による土砂災害や熱波による森林の火災など、各地で自然災害が多く発生しました。
このまま何もしなければ、年々気温が上がり、毎年のように災害が発生することになるのかもしれません。今、私たちができることは何かを地球から問いかけられている気がします。
また、世間では、コロナの感染が未だ終息せず、若い世代での感染者が多く出ています。本校においても、この夏休みだけで生徒100名以上が感染をしました。
部活動の大会を棄権せざるを得ないケースもあり、悔しい思いをした生徒もいます。
そんな中ではありますが、私自身いくつかの公式戦や発表会、展示会などに行き、皆さんから元気をもらいました。
今週末、来週末も公式戦があるようなので、応援に行きたいと思っています。
様々な制限があり、大変だと思いますが、一度しかない皆さんの高校生活が少しでも充実することを願っています。
さて、今日は、これから進路選択に向けて大切な時期を迎える皆さんに、大阪出身の「久坂部 羊(くさかべ よう)」という作家の方について話をしたいと思います。
彼は、大阪の府立高校の出身なのですが、高校2年生の時に読書家の友人の影響を受け、小説家になりたいという夢を持ちます。
そして、医者である父親に、そのことを打ち明けるのですが、
父からは「小説家では生活が大変ではないか」と言われ、結局、医学の道へと進みます。
そして、医者になった彼は、病院勤務を経た後、海外にある在外公館で医務官として勤務し、その後、日本に帰り、高齢者施設で医療に従事します。
このように、長年、医者として様々な実績を残していくのですが、実はその間も、小説家への夢を捨てきれずに、彼は毎朝4時に起きて、小説を書き続けていました。
そして、ようやく2003年、彼が書いたエッセーが認められ、念願であった作家への道が開くことになります。なんと、「小説家」への志を立ててから31年後のことです。
久坂部(くさかべ)さんの言葉を紹介します。
「私は高校2年生の10月、小説家になろうとスイッチが入りました。その後まったく芽が出なかったのですが、努力の成果は後からついてきました。
編集者からは、『若い頃に入選していれば、すぐに挫折していたでしょう。若い時に素晴らしい作品が書けたとしても、人生の経験による蓄積がないため、なかなか続かないものです』と言われました。
自分の作品が、なかなか入選しなかったため、医療へ進み、海外へ行き、そして高齢者施設へ行って、様々な人たちが死を迎える様子も見ました。
遠回りをしてきたことで人生の経験を積み、それが今も、小説を書き続けられる原動力になっています。
人生は目先の良し悪しで判断してはいけません。
努力は必ず報われるとは言いませんが、やり続ければ成果は後からついてくるものです。成功するやり方を考えるよりも、大切なのは成功するまで続けられるかどうかです。続けなかった人に成功はありません。」
つまり、久坂部(くさかべ)さんは、目先の「成功する方法」を探るよりも、自分の志を持ち続け、粘り続けることが、成功する秘訣であると言っています。
2年生の皆さんは、いよいよ本格的に、自分の進路を決めていく時期になります。
1年生の皆さんも、遠い先の事ではありません。実際、今、科目やコースの選択について考えていることは、その先の人生を見据えた、進路選択の第1歩です。
ぜひ、自分の将来に夢を描いてください。そして、自分が決めた第1希望の進路実現に向け、粘り強くチャレンジをしてください。もし、最終的に進路の方向が変わったとしても、積み重ねたことは、全て自分の力になります。
最後になりますが、9月10日、11日は文化祭が開催されます。クラスで協力し、思い出に残る行事にしましょう。