枚方支援学校では、キャリア教育の視点からも教育活動に取り組んでいます。
(キャリア教育は、「職業的な自立」という視点だけではありません。
小学部・中学部・高等部を通して、「社会的な自立」「社会の中で自分の役割を果たす」など
の視点で取り組んでいます。)
中学部3年生ではチャレンジの時間を使い、各クラス個々に行う取り組みとは別に、学年とし
ての自立活動の授業を実施しています。
先日は学年を3グループにわけて自立活動を行いました。
今回のキャリアブログでは3グループのうちの1グループの取り組みについてお伝えします。
多目的室で学習を行ったグループでは、「コミュニケーション」をテーマにして特に「言葉を
使ったやり取りをしよう」という活動を行いました。
取り組みの一つめとしては、「伝言ゲーム」を実施。一人めの生徒がお題となる文章を覚えて
内容を隣の生徒に伝え、5人ほど進んだところで伝言を確認するという内容です。
覚える文章内容を「スーパーに行って、ニンジン2本と玉ねぎ4つ買ってきて」というように
少し長めに設定したことから、すべてのグループで途中から内容が変化し、中には元のかたち
がまるで残らないで伝わるグループもありました。
生徒たちからは「どこで(言葉が)変わったん?」「なんで最後にそんなことになったの?」
と疑問の声や、「難しすぎるー!」という声がたくさん出ました。
言葉だけ、かつ伝えるだけという一方向的なコミュニケーションの難しさを体感してもらった
うえで、取り組みの二つめとして「ブラックボックス」を行いました。
①中身が見えないようになっている箱の中に教員が物をいれる。
②中に何を入れたのか三択で選択肢を示す。
③希望した生徒一名が箱の中に手を入れて中身に触る。
④中身を触った生徒が、触ってわかる特徴をまわりに伝えていく。
⑤まわりの生徒が、選択肢の中から答えを選ぶ。
上記の流れで取り組みを実施し、一人めの生徒は触った感触や大きさ、硬さなどを精一杯伝え
ることで、多くの友だちを正解に導きました。
二人めの生徒が取り組みを始めると、まわりの生徒から「質問するのはあり?」と声があがり
、質問を許可。「熱い?冷たい?」「どんな硬さ?」「厚みはどう?」等の質問がたくさん寄
せられ、双方向的なコミュニケーションを行うことができました。
三人めの生徒がブラックボックスに手を入れると、まわりからは「何センチくらいの大きさ
?」といった具体的な質問がたくさん出て、コミュニケーションの取り方を工夫していく様子
が見られました。
円滑なコミュニケーション能力を身に着けていくことは、とても大切な力となります。
今回の学習で経験したことを、今後の学校生活でも活用してもらいたいと思います。