関東での3日間の勉強会を終えて帰路についているところです。22日(水)10時から23日(木)12時までさいたま市の大宮ソニックシティホールで「第76回全国高等学校長協会総会・研究協議会」では、北海道から沖縄まで全国から2,000名を超える校長が一堂に会して行われました。
1日目、総会に続き、文部科学省 森 孝之 大臣官房審議官から「最近の初等中等教育の動向」の表題で講話がありました。ホットで詳細な資料とともに内容は多岐にわたり、「第4期教育振興基本計画」「教師を取り巻く環境整備」「GIGAスクール構想の推進」「いじめ、不登校対策対応等」「学校健康教育の推進」「特別支援教育」「外国人児童生徒への教育」「高校教育改革」「コミュニティ・スクールと地域学校共同活動の一体的推進」「学校図書館の整備」など、国が現在の学校教育において、どのように課題を認識し、どのように改革を進めようとしているかがとてもよく分かりました。
午後から研究協議Ⅰと文部科学省行政説明Ⅰ及び講演会があり、研究協議では、北海道函館西高等学校から「新時代に対応した高等学校経営のあり方~学校経営における防災の在り方」について発表がありました。発表者の校長先生は1993年7月12日に発生した「北海道南西沖地震」で最も甚大な被害を受けた奥尻島の学校で勤務されていたとのこと、発言される言葉の一つ一つに込められている思いの深さを感じました。
また、千葉県立下総高等学校から「いらないもので地域を元気に~利根川の特定外来魚と成田空港の伐採木チップを使ってみた!~SDGsに取り組む高校生」の表題で発表がありました。利根川流域で大繁殖している特定外来生物のアメリカナマズから質の良い液肥を作るなど持続可能な素晴らしい取組みを聞くことができました。
講演会は、東京大学生産技術研究所教授の 大島 まり 氏を講師に、「主体的・対話的で深い学びに向けたSTEAM型探究学習」の表題で、実践事例を挙げながらその重要性や取組みの工夫について聞きました。
2日目の研究協議Ⅱでは、石川県立能登高等学校から「地域人財を活用した地域と相思相愛の学校づくり~生徒の可能性を引き出す協働的な学びの実践」の表題で発表がありました。おもに「総合的な探究の時間」を通して地域と一体になった地域活性化のデザインと具現化に向けた取組みについて発表されました。レポートの後半には、能登半島地震が起き、言葉にはできない苦難を乗り越え復興に向けて生徒とともに頑張ってられる記述があり、その話を聴きました。
続いて、高知県立山田高等学校から「『探究する学校』の実践と挑戦~成果と課題の探究と展望」の表題で発表がありました。地域の課題をテーマに熱心な探究活動が成された結果、基礎学力の向上と「自分のことが好きである」という質問に対する肯定的回答が圧倒的に増加したという報告を聴きました。
なぜ、そんな成果が得られるのか、学校で学ぶ教科・科目の一つ一つが網目状に繋がって俯瞰的に事象を捉えて思考する力が養われるからだと思います。「さまざまな授業がつながる」~探究活動を通してこの感覚を今高生の皆に体感してほしいと願っています。
2日目も文部科学省の各担当の方々から行政説明がありました。教育行政にかかる報道提供で知り得る情報の背景や展望について聴くことができ、とても有意義でした。
長時間、満員のホールでじっと座っているのはまあまあ辛く、夜に靴下を脱ぐと、両足が紫がかって腫れているほどでしたが、とても勉強になり来てよかったと思いました。学校に戻って先生方と共有し、本校の学校づくりに生かしたいと思います。