今日は「現代の国語」と「HL美術」の授業を見学しました。
2時間めに1年2組「現代の国語」を見学しました。題材は安部公房の「白い蛾」、担当は宮下先生です。
あるとき私は急な用事ができて、白蛾丸という小さな1000トンばかりの船で旅行しなければならないことになりました。ちょっと変わった名前の船なので、きっと何かいわれがあるに違いないと思い、途中船長さんに尋ねてみますと、の書き出しで始まる短編小説は、このあとどのように展開していくのでしょう。
本時は中盤、「私」の言葉を聞き、船長が安心しました。では先を話しましょう。と核心に入っていきます。まず、船長にそう思わせた「私」の発言についてグループで話し合って考えます。
目に見えているものは、その奥にある大きな塊のさまざまな性質を、ばらばらに示している仮の宿で、影のようなものだというのが私の意見です。
(1)「仮の宿で、影のようなものだ」とは何か。
(2)「大きな塊のさまざまな性質」とは何か。
先生は、「まず主語と述語を正確に見つけて文の構成を明らかにしてから考えましょう。」と話されました。観点別では「知識・技能」の問いです。
次に、「船長が創った『童話』を読んで、この『童話』のタイトルを漢字2字で付けてください。個別に考え手書いたら班で話し合ってください。」と発問されました。生徒たちは誰1人一切の私語もなく『童話』を読んで考えていました。観点別では「思考力・判断力・表現力」の問いです。皆、真剣そのものです。
小説は、読み手に想像の余地を残しているところにその魅力があります。生徒はどんな言葉を思いついたのでしょう。逃避、孤独、苦悩、運命、人生...、いろいろ出されました。面白いです。そのとき私は「刹那」と答えましたが、今、振り返ると「守拙」の方がなんとなく自分の感覚に近いかなぁと思いました。生徒と一緒に続きを学びたくなります。有難うございました。