文化祭を通して私が学んだこと!

 いくつになっても生徒から学ぶことはたくさんあります。実は、この文化祭は3年生のあるクラスの生徒から声を掛けてもらってクラス演劇に出演しました。練習に参加させてもらって気づかされたことがたくさんあります。まず、集中力の高さ。あれだけ短い準備期間であれだけクオリティの高い作品ができるのは集中力の高さのおかげです。集中力の高さは今年だけではなく毎年感じてきたことですが、今回はその仕組みがわかりました。

 基盤になっているのはフォロワーシップです。クラスミーティングの時の様子を見ていると、自分の分担のことだけわかっていれば良いという空気がありません。自分に与えられた役割を果たすために連携を要する部門(人)の動きまで把握しています。だから、出てくる意見はすでに解決策です。「・・・について困っているんだけどどうすれば良い?」という類の質問は一度も耳にしませんでした。その上に信頼度の高いリーダーシップがあります。リーダーは複数いて役割分担がなされています。最終的に判断するリーダーは業務を分担しているリーダーから意見を聴いて即時に判断します。それは見事なものでした。活動は常に与えられた時間を逆算しながら進みます。1秒も無駄にできない状況下で躊躇をしている暇はありません。リーダーの即断即決でクラスが動いていくのをすぐそばで見せてもらいました。

 文化祭と言えば"楽しいこと"というイメージです。確かに楽しいのですが、三国丘高校文化祭の"楽しい"の種類は私がこれまで勤務してきた学校のそれとちょっと違うような気がしています。良し悪しを言っているのではありません。三国丘高校文化祭で経験できる"楽しい"は実社会で我々大人が仕事上求められるような厳しさの中で味わう"楽しさ"のような気がするのです。仕事の"楽しさ"という言葉に違和感を感じる方は"やりがい"という言葉に置き換えてもらっても良いかと思います。

 今日の閉会式(放送)で私から話をしたのですが、文化祭の活動は特に3年生の大学受験にとって非常に有用だと感じました。みなさんも「受験は団体戦」という言葉をお聞きになったことがあると思いますが、自分の受験のことだけしか考えない人が40人いてもそれを団体戦とは言いません。他のクラスメイトや友人の置かれている状況や心情を理解しながら傍らでともに受験勉強をしているからこそ、励まし合ったり助け合ったりできると思うのです。そのためには近くにいる他者に興味を持たなければいけませんし、受験対策の流れを知っていなければなりません。そんな集団ができてこそはじめて「受験は団体戦」という言葉が生きてくると思うのです。まさに今回の文化祭で見せてもらった3年生の姿がそれだと思いました。

 今日も写真をたくさん撮ってきました。3年生と2年生は全クラス演劇に挑戦しましたが、私が観た2年生の中には極めてレベルの高いクラスがありました。どちらも多目的ホールで発表したクラスですが、あるクラスは随所に観客を楽しませるシーンを散りばめ、笑いの絶えない舞台でした。相当量の練習を積んでこないとこのような舞台は創れないと思いました。頭が下がります。別のクラスはびっくりするくらいの完成度でした。台詞まわしも完璧で非のつけどころがないという感じでした。特に主役の生徒とその妻役の生徒は演劇部かと思うくらい上手でした。演出も華やかで観客を惹きつけていました。3年生は昨日のブログであるクラスを取り上げましたが、それと比べて何の遜色もないクラスが複数ありました。文化祭準備の段階で先生方から「今年の3年生はちょっとスロースタートじゃないか?」という声を聴いていましたが猛スパートの結果、その集中力の高さで凄い作品を生み出したというのが率直な感想です。3年生の貫録を感じました。1年生は凝った企画が例年より多かったような気がしています。カートを使ったアトラクションや格付けチェック、シューティングゲームなどひとつ捻った企画が多くの観客を引き寄せていたようです。文化部では天文部のプラネタリウムや理化部の科学実験、書道パフォーマンスや茶会、社会問題に関する展示など色とりどりでしたが、ここで紹介したいのは雑誌部の冊子「ごった煮文化祭号2024」です。1冊購入しざっと読みましたが、この中に本校を受験する中学生へのメッセージがあります。「体調管理」や「受験一週間前の過ごし方」といった体験しないとわからない具体的なことについてエッセイ風に書かれた文章です。著者の許可が取れたらこのブログで一部でも紹介したいと思っています。

 写真をご覧ください。今回も生徒会執行部の生徒から送ってもらった写真が含まれています。

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