「駑馬十駕」という言葉があるそうです。荀子の言葉で、どれだけ力のない馬でも10日間走り続ければ名馬の一日分に追いつくことができる...という意味だそうです。生まれ持った能力に関係なく、努力し続けることが大事だということを表していると言います。
第1号で学年主任はこんなことを言っています。「たとえ道が果てしなくても、自分の力を出し続ける強い人間になってほしい」。締めの一言は「駑馬だろうが何だろうが、チャレンジする姿勢を忘れず、三国丘という環境でたくさんの刺激を受けながらみなさんの価値観を更新していってほしい」です。核心を突いた言葉だと思いました。
私は、先生方にいつも言います。判断基準は生徒中心主義です...と。学校は生徒のためにあるのですから、生徒のために一番良いことを選択するのは当たり前のことです。しかし、間違ってはいけないことがあります。それは、近視眼的にならないことです。我々教員は生徒たちの3年間を見通すことができます。それが、保護者との違いです。深い愛情をもって育ててこられた保護者のみなさんにしかわからないこともたくさんありますが、これから始まるこの学校での3年間を見通すことは至難の業です。「駑馬十駕」という言葉は、入学式を終え、期待と不安が入り混じる新入生に贈る言葉としては最適だと思います。自分が何者であろうが、3年間走り続ける覚悟さえあれば、それ以外のものは不要です。我々三国丘高校の教員は、この言葉どおりの努力を積み重ね、見事にアイデンティティを確立していった生徒をたくさん見てきました。希望進路を実現し、夢を叶えるために飛び立っていった生徒たちです。
『十駕 JUGA』は折に触れ発行されると思います。保護者のみなさんには、いま書かせてもらったような意味を感じながら読んでいただければ嬉しいです。