宇宙に行った人に逢えるなんて素敵だと思いませんか。土井先生には何度かお目にかかりましたが、私などにも気さくにお話ししてくださる優しい先生です。先生は、三国丘高校を卒業後、東京大学大学院を出られ、宇宙飛行士をめざされました。夢叶って、1997年(平成9年)にスペースシャトル・コロンビアに搭乗し国際宇宙ステーションに到着。宇宙で船外活動をした、はじめての日本人として有名です。高校時代は天文部に所属し、その頃から宇宙へ行きたいという夢を持っておられたという話を聞いたことがあります。
今回は、天文部のOBとして、学校でご講演をいただきました。教頭先生が、この講義を受けてきました。次の文章は、教頭先生のレポートです。ご一読ください。
「宇宙をめざせ」 高25回土井孝雄元宇宙飛行士が天文部へ熱いメッセージ!
本校天文学部のOBOG会が開催され、現役天文部の生徒約50名も交えて元宇宙飛行士の土井孝雄先輩よりご講演をいただきました。
タイトルは「日本の有人宇宙活動」で、有人宇宙活動の歴史、土井さんが乗船されたスペースシャトルの打ち上げから船外活動の様子、これからの有人宇宙活動についてなど、宇宙に行ったことのある方しか語れないお話に、みんな目を輝かせて聞き入っていました。
船外活動のお話では、土井さんが人工衛星を手づかみする映像が流されたのですが、となりで一緒に船外活動をしているのは、3月にNASA海外研修で生徒たちがお世話になったスコットさん!こんなに短期間に、一緒に船外活動をした元宇宙飛行士お二人と会えるなんて、生徒たちはなんて幸せなんだ...と思いました。
宇宙飛行士のクルーは、お互いに命を預けられるまで1年半にわたって絆を深めてから宇宙に飛び立つそうです。お二人の絆が、時を超えて三国丘高校の生徒たちに貴重な経験をさせていただいていることに、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
質問の時間には、「無人宇宙飛行も選択肢にあるのでは?」という質問がありましたが、土井さんの回答を要約すると次のようなものでした。
「1961年にガガーリンが初めて宇宙に行くまで、人間は宇宙で水が飲めるか、寝ることができるのか、何もわからなかった。しかし、今は人間が無重力空間で適応し生きていけることがわかっている。もし1000年後に地球に人類が住めなくなったらどうする?無人飛行をやっていると有人飛行のノウハウが蓄積しない。人類は500万年前に森からサバンナに降りたことで繁栄した。同じように、人類は宇宙をめざさなければならない」。
土井さんは「実は無重力空間で仕事している方が疲れないんだよ」とユーモアを交えながら、後輩たちに「宇宙をめざせ」という熱いメッセージを語ってくださいました。
将来、生徒たちの中から、宇宙開発事業や宇宙飛行士として宇宙ステーションで活躍する人が誕生することが楽しみでなりません。
講演の後にはサインや記念写真をお願いする長い列が...。土井さんは最後の一人まで優しく丁寧にご対応くださいました。ありがとうございました。
天文部は50名を超える部員が熱心に活動しています。
ぜひあなたも三国丘高校に入学して、宇宙をめざしませんか?
私は、土井先生にお逢いするたびに思います。「凄い人はカッコいい!」こんなに凄くてカッコいい人を身近に感じることができる学校は、三国丘高校だけです。天文部は、夜空を見上げて夢を描いている中学生を待っていますよ!