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「ここに凄い高校生がいます!」学会レベルの論文 読んでみたい先生は三国丘高校まで

 社研(社会科研究部)に所属する2年生に、凄い子が2人いる!と聞きつけたので、今日のお昼休みに、校長室に来てもらいました。論文を書いたというので見せてもらうと、見たことない枚数!社会科の先生が、学会レベルの論文ですよ...と言ってたとおりでした。

 2人には、私が理解できた範囲でわかりやすく、ブログで紹介させてもらうと前置きをした上で、それぞれの論文の概略を説明してもらいました。"じゃんけん"の研究をした高橋くんは低音で落ち着いた話しぶりで、わかりやすく説明してくれました。要するに、2組に分ける場合の"じゃんけん"の掛け声の分布を調べたというのですが、これが千差万別でした。例えば、大阪と東京だと違うだろうなぁ...というくらいは想像の範囲内だったのですが、この調査の対象は三国丘高校生です。それぞれの出身中学校ごとに掛け声の種類をマーキングした地図を見たら、線路や幹線道路を超えるだけで違う掛け声になっていることが明らかになりました。みなさん、例えば「グゥとパァ」みたいな掛け声でじゃんけんをして、集団を2組に分けたことがあると思いますが、私が育ったあたり(中河内の中核市)では「グッパァでホイのホイのホイ」と言っていました。このことを高橋くんに言ったら、本校生の出身中学のあたりでは、そんな掛け声はなかったそうです。なかなか、奥深いものですねぇ。この研究は社研(社会科研究部)で代々引き継がれている研究だそうですので、鉄道や幹線道路が整備される以前と現在を比べた研究をするなど、さらに深いところまで踏み込んでくれたら嬉しいなぁと思いました。

 田中くんは"堺事件"について調べたそうです。ご存じの方も多いかと思いますが、幕末から明治にかけての混乱期に、堺を警護していた土佐藩士がフランス人を撃ち殺したという事件です。犯人である土佐藩士が切腹を命じられ、事件は一応の決着をみたということですが、双方の言い分が大きく食い違っていると言います。この事件に興味を持った田中くんはいろんな資料を調べるうちに、かなり信憑性の高い資料がフランスにあることを突き止めました。もちろんフランス語で書かれた文献です。普通の高校生なら、ここで諦めてしまいそうなものですが、田中くんの凄さはここから先です。翻訳アプリ等を駆使してこの文献を翻訳し、その内容を分析しました。その結果、これまでは研究者によって様々な説が唱えられている堺事件問題に新たな知見を示すことができたと言います。田中くんに、関係の学会で発表させてもらったらどうかと訊ねたところ、自分自身が学会に所属していない限り発表はできませんと、クールな答えが返ってきました。私の頭の中には、本校卒業生で、大阪大学でフランス文学を教えておられる先生の顔が浮かんでいたので、一度、相談してみようと思うがどうか...と返したら、嬉しそうな笑顔を見ることができました。社会科の先生を通じて相談してみたいと思っています。

 二人に未来のことを聞いたら、法曹の世界で活躍したいとか、公務員になって外交官として働きたいとかいう、頼もしい返事がありました。2人とも頑張ってください。10年後、世界で活躍している2人のニュースを観ながら「この子らと話をしたことあんねんでぇ!」と周囲の人に自慢できる日を楽しみにしています。

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