12月23日(火)、阪大病院に集まったのは、1年生19人、2年生2人の合計21人。例年のほぼ3倍の人数です。この日は、阪大病院で医師として勤務し、大阪大学医学部で教鞭をとる、三国丘高校卒業生の先生方のご厚意で毎年開催されている「大阪大学医学部体験」の日です。
お忙しい中、3名の先生方と1名の大学院生にお越しいただき、見学や体験、質疑応答など、医学部医学科を志望する生徒にとっては非常に濃密な時間をもたせていただきました。
最初に案内していただいたのは、なんと、手術室。まさに、医療の現場である手術室を見学させていただくという貴重な経験をさせていただきました。大学病院で、現役の医師に案内してもらって手術室を見学させてもらう取組など、三国丘高校以外ではあり得ないことです。「大阪大学医学部体験」は、校長ブログでも何度か紹介させていただきましたが、今回、参加者が例年の3倍になったということは、医学部医学科への進学を希望する生徒が増えたということであり、この取組が、医師をめざす中学生の本校への入学を促進しているのなら、とても嬉しいことです。元宇宙飛行士の土井先生に憧れて三国丘高校を志望し、入学後は天文部に入部するという人が増えたように、「大阪大学医学部体験」があるから三国丘高校を志望し、医師への道を進む生徒が増えるという流れがきているのなら、これより嬉しいことはありません。

手術室見学の後は、体験です。先生方のご指導のもと、胃カメラの練習用機器やエコー検査機を実際に操作させてもらいました。人形の口からチューブを入れると、モニターに胃の内部の映像が映ります。チューブが上手く入らないと、人がえずくような声が機械から発せられます。それがとてもリアルで、まるで、本当に検査をしているような感覚になります。生徒たちは真剣そのものでした。
この部屋には、エコー検査の機械もありました。実際に扱ってみようということで、私は患者役になりました。1人ずつ先生に手を添えてもらって操作すると、画面に臓器の輪郭が映し出されます。心臓の動きまで見えるので、みんな興味深そうでした。

最後は、生徒たちが事前に出しておいた質問に、先生方が答えてくださる時間です。「なぜ医師になろうと思ったのですか?」とか「医師としての一日はどんな感じですか?」とか「高校時代は1日何時間くらい勉強しましたか?」などたくさんの質問に、とても丁寧に答えてくださいました。生徒たちの小さなリアクションがとても面白かったです。

こんな時間を持たせてもらえることがいかに幸せなことなのか、参加した生徒たちが本当の意味で理解できるのはまだまだ先かもしれません。今胸の内にある志が実現した将来、自分が医師の立場になった時はじめて、あの時はなんて贅沢な時間を持たせてもらったんだろうと、はじめて気づくのかもしれません。それくらい貴重な時間を、生徒たちは存分に楽しんでいました。何より私が強く感じたのは、先生方の、後輩に対する愛の深さです。130年の歴史を持つ三国丘高校が代々受け継いできた精神が、今に活きていることを証明してくれたと思っています。本当に、ありがとうございました

このブログを読んでくれている中学生のみなさんに一言だけ言わせてください。中学生が、自分の人生の設計図を持っているとは思っていませんし、それを望むこともありません。しかし、何でも良いから、高校生になったらやってみたいことは描いておくほうが良いと思います。自分の進みたい道を見つける方法は、トライとエラーを繰り返すことだけです。そう考えれば、多くのトライができる高校を選ぶべきということになると思います。ぼんやりでも良いから医療に興味がある人、ドラマや漫画を見て、医師ってカッコいいなぁと思っている人にとって、この記事はとても魅力的なものでしょう。ホンモノに出逢えるだけじゃなく、親身になって導いてくれる先輩がいることを、みなさんに伝えたつもりです。高校生になったら、自分の夢に向かって一歩踏み出したいと思っている中学生は、三国丘高校で、みんなと一緒に踏み出しましょう。待っています。