今日(23日)は、3学期の終業式でした。新入生はまだ入学していませんので、1年生と2年生の前で終業式のあいさつをさせてもらいました。今回は、映画と本の話です。
あいさつの文章をご紹介するのですが、怒らないでください。ふざけている訳ではなのです。こんな話をしたのには理由があります。今の中高生、もしかしたら小学生にも共通する傾向かもしれませんが、本を読みません。文字は読んでいるのかもしれませんが、紙の本を読みません。
SNSから情報を得るために文字を読むことと、紙の本を読むことは、意味が違います。小さい頃から本をたくさん読んで育った子どもは読解力や理解力に優れていると言います。これは本当だと私は思っています。最近、孫ができたのですが、生後6か月を過ぎて、ぼちぼち表情も豊かになってきたので、絵本をたくさん買おうと思っています。
実は、三国丘高校の生徒も例に漏れず、読書量が少ないことがわかりました。国語の先生と話をする中で、本当は、小説とか評論とかを読んでほしいけど、きっかけはどんな本でも良い...という話を聞いたので、私も役に立てればと思って、あいさつ文を考えました。
映画を観に行って、その帰りに原作本を買った話を、楽しく伝えることができたら、映画と本をセットで楽しもうという気になってくれる生徒が現れるんじゃないかという期待を込めてお話ししました。生徒たちはクスクス笑いながら聴いてくれたので、所期の目的は達成できたかなと思っています。原稿をご覧ください。
3学期終業式校長あいさつ
みなさん、1年間お疲れさまでした。
いきなりですが、親や、それに近い世代の人から、青春はあっという間に過ぎ去るものだよ...という話を聴いたことがありませんか?
それは、本当の話ですよ。間違いないです。
例えば、仮に、高校3年間だけが青春だとすれば、
25歳の人が振り返った場合、その時点の人生、即ち25年のうちの3年間が青春なので、この人にとっての青春は、人生の12%ということになります。
同じように計算すれば、60歳の人の人生における青春の割合は5%。たったの5%です。
そう考えると、年配の方が若い人に、「青春はあっという間に過ぎ去るものだから、大事にしないと...」と言うのは、自然なことです。
さて、今日は、映画と本の話をします。
私は先日、「クスノキの番人」という映画を観て、帰りに原作本を買いました。
原作者の東野圭吾さんはミステリーで有名な作家ですので、陰謀とか策略とか、もっとドロドロしたストーリーかと思ったら、とても爽やかな作品で、アニメも心温まる描写がたくさんありました。
甘いポップコーンもお腹いっぱい食べたし、身も心も満足して映画館を出て、途中の本屋さんで、平積みされている原作本を衝動買いしました。
感動が薄れないうちに読もうと、帰りの電車の中で本を開いたのですが、10ページも読まないうちに違和感を覚えました。
さっき観た映画の主人公のキャラクターと、今読んでいる本に描かれている主人公のキャラクターが微妙に違うのです。二人の主人公がいるような錯覚に陥りました。
考えてみれば、これは当然のことで、映画の方は、映画監督が原作を読んで作り上げたキャラクターで、本の方は原作者が文字で表現したキャラクターを自分の頭で解釈したものですから、違っていて当たり前です。でも、この違いが面白くて、どんどん読んでしまいました。
そこで、私からみなさんに提案があります。映画と原作本をセットにすることです。どちらが先でも良いと思います。ひとつの物語を二度楽しめます。
卒業した78期生もそうだったと思いますが、卒業式が終わった瞬間に、高校時代は充実していたなぁと回想するものです。
なのに、卒業して5年もすれば、「高校時代に、あんなこともこんなこともしておけば良かった」と後悔します。もっといろんなことができたはずなのに自分はしなかったという後悔です。
後悔してしまうのは、青春の大事な時間を無駄遣いしていたからです。
みなさんが忙しいのは百も承知ですが、映画と読書だけは、今、しておいたほうが、絶対に良いです。確実に、後悔をひとつ減らすことができます。青春の無駄遣いはやめましょう。
それから、もうひとつ。これもまた、大事なことです。
映画館で買うポップコーンはMサイズで十分です。Lサイズは食べきれません。
塩味は喉が渇くので、キャラメル味一択です。
感動している時にコカ・コーラを飲むのはやめましょう。
涙と一緒に吹き出します。
以上、シニア割引で映画を観た私からの忠告と助言です。
冬休みは短いですが、自分らしく過ごしてください。