学校説明会などの場面で、中学生の保護者から、「塾に通っている生徒は何割くらいいますか?」と訊かれることがよくあります。そんな時は、私はこう答えます。
「難関国公立大学をめざす高校で、通塾率0%という学校はないと思います。割合が問題ではなく使い方が問題です。」言い終わって保護者の顔を見ると、大抵は不安な表情を浮かべておられるので、こう続けます。「経験的に言えば、塾の勉強に軸足を置いたら失敗することが多いと思います。学校での学習をこなしたうえで塾を補完的に使える生徒は、より高い目標を達成できることが多いようです。」そして、最後にこう付け加えます。「もし本校が受験対策を塾に任しているとしたら、今のような高い進学実績は実現していません。」ここまでお話しすると、ほとんどの方は納得してくださいます。
公立高校は受験指導に力を入れていないと思っている中学生や保護者がまだいらっしゃるとすれば、それは不幸なことです。今日は、本校の国語科を例にとって、入試問題分析会について報告します。
難関国公立大学をめざす生徒にとって共通テストは最初のハードルです。特に難易度の高い大学を受験する場合、得点を上げるという感覚ではなく失点をいかに減らすかが課題になってきます。この現状からもご理解いただけると思いますが、共通テスト対策は短期決戦では勝てません。毎年の共通テストの出題傾向などを詳細に分析し、1年生からの授業で個々の教材をどのように扱うのか、重点をどこに置くのか、指導のポイントは...。3年間の指導計画を練り直すことも必要になってきます。
国語科が2026年度共通テスト問題を分析し、教科としての方針を決めるために作成した資料を入手しましたので、私が気になった箇所を抜粋してご紹介します。
まずは、目的です。こう書いてあります。「78期生の共通テスト結果を分析することで、現在の三丘生の国語力の現状を理解し、来年度以降の国語科としての指導方針を検討する。(後略)」。次は、問題文の特徴です。「昨年度から加わった「実用文」の問題は、データの分析ではなくレポートの作り方を聞くような問題になっていた。問題形式も変更され、昨年度よりも解答に辿り着くまでに時間をかけざるを得ないようなものとなった。(後略)」との記載がありました。最後は、平均点の概況と正答率です。「難化した今年度の入試において、総得点は〇〇点のプラスであった。GLHS10校の比較においては全体の〇位であった。大問ごとに見ると(後略)」という具合です。
ご覧いただいたように、昨年度の結果や他校との比較を含めて、具体的な分析がなされています。これに続くのが、問題ごとの分析です。
分析の後には、今後の授業方針について書かれています。要旨を抜き出してみます。
「単語力、文法力、敬語、主語を判定する力など点数に直結する力を増強するため、文法帳の活用を徹底することが必要」「熟語の意味を推測する力を問う問題が出ることを授業で伝え、辞書を引いたり自分で推測したりするクセをつけさせるなど、主体的に言葉を把握する意識をつけさせる必要がある」「訓点、書き下し力については、授業での発問に工夫を要する。訳を訊くばかりではなく、文構造を問う発問を増やすことが重要」。
文字ばかりのブログを、ここまで読んでいただいた方々に感謝します。国語科の先生にきくと、6月の文化祭明けには、今回の分析会で得た知見をもとに、受講を希望する生徒を対象とした講習会も企画しているそうです。得点率を上げるためにとても効果的かつ効率的な講習になるのではないかと期待しています。
いつもは、主に中学生に向けて、三国丘高校での学校生活ができるだけリアルに伝わることを意識した記事にしていますが、今回は、中学生の保護者のみなさんを意識した記事を書いてみました。今回は国語科を例にとって書き進めましたが、添削など個別指導を中心に受験対策に取り組んでいる教科や過去問を教材にした授業に力を入れている教科、講習中心の手法で幅広いニーズに対応している教科など、教科の特性に応じた様々な対策を講じています。これからも、中学生の保護者のみなさんの疑問や不安に応える記事を書きたいと思っています。よろしくお願いいたします。