㈱ニッセイ・ニュークリエーション様(以下NNCとさせていただきます。)と言えば、日本生命の特例子会社で障害者雇用の草分け、大阪で最も有名な会社です。
1993年に設立され「大阪府ハートフル企業顕彰制度」分野賞を受賞、大阪府教育委員会「支援教育サポート企業表彰」、「平成27年度障害者雇用職場改善好事例」で最優秀賞(厚生労働大臣賞)、「大阪府ハートフル企業顕彰制度」ハートフル企業大賞、「障害者活躍企業」に認証、「令和2年度障害者雇用職場改善好事例」で最優秀賞(厚生労働大臣賞)などと受賞歴も錚々たるものばかりです。そのような名誉のある会社が、本校の直ぐ近く(JR御幣島駅近く)にあるのです。
本校とNNC様のお付き合いは、今までほとんどありませんでした。本校は西淀川区様、西淀川社協様と地域の障がいのある方がスポーツなどを通して楽しめる場を作りたいとの取り組みを進めており、本校体育館におけるボッチャの大会にこの度の講師の中島様にお越しいただいたことからご縁ができました。
肢体不自由支援学校は、かつては車いすで自力通学ができるような生徒が在籍していました。その生徒たちの社会自立はもちろん「しっかりと就職し、自立した生活」をめざすことでした。近年は、そのような生徒は一般の高校に多く在籍し、肢体不自由支援学校にはほとんど在籍することがない状態になりました。
人口呼吸器の児童生徒が増加し、医ケアのある児童生徒が半数と児童生徒の障がいの重度化の話ばかりしています。
一方、私たちは相変わらず、「障がいのある児童生徒の社会参加・社会自立を目指して...」といつも高い目標を掲げております。
進路選択については、先ずは医療的ケアなど医療との連携や「看護師配置のあるところしかない」みたいなになってしまっているのが現状です。そうなんです企業への就労なんてとても無理みたいなことで先生たちもあまり興味も示さなくなっていたのです。
さて、6月21日(金)進路・人権校内研修を行いました。ご講義いただきました人材開発部中島信弘部長様、業務第一部 山本彩乃様。ありがとうございました。また、中嶋専務様はじめニッセイ・ニュークリエーションの皆様もご参加いただきました。感謝申し上げます。
今回中島様には30年にわたり特例子会社にて障害者雇用のノウハウを積み重ね、そこで得た知見を活用しつつさらなる成長を続けているニッセイ・ニュークリエーションの実践をお伺いしました。聞いてびっくり、従業員452人の方のうち障がいのある方が401人! 障害種別や程度も多様、管理職のかたもいらっしゃる...。
障がいのある方とない方とかいう考え方でなく、普通にみなさんがお仕事されている。そう、分離された意識でなくまさしくノーマライゼーションです。そして、多くの人たちが「この会社に勤められて良かった。」との感想を持っておられるようです。
しかし、それぞれの人に機能的な障害はもちろんあります。ある人は書類ケースの書類が取りにくかったり、輪ゴムを1本取り出して書類を束ねることができなかったり、ステップラーがうまく使えなかったり...それぞれの困ったことはたくさんあるそうです。しかし、それをどうするかKAIZEN(改善)を会社として取り組み、様々な改善策を取られています。
(冊子)すごいですよね。自立活動や作業学習の指導法などでもこのようなアイデア集はありますが、リアリティーが違いますね。非常に参考になります。
また、女性社員の山本さんの力強いお話しを聞かせていただきました。こんな工夫で日常生活もこなせている。仕事も楽しくやっている。しかし、その裏にいろいろな苦労や葛藤があったこと、でも今は「この会社に入って良かった。」と自信を持って語られ、上司の中島さんとみつめあるところなんか。ほんと「美しい」と思いました。
障がいのある人もない人も生き生きと自分の仕事に誇りを持ち、給料を得て働く姿を知ることができました。