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1 分散登校が始まりました ~充実した間接的コミュニケーションについて~

堺西高校の校長の酒井です。これから、このブログに文章を掲載していきますので、よろしくお願いします。

国や大阪府の方針、指針を受けて、府の教育委員会、教育庁により5月第3週から府立学校で順次登校日を設けるという決定がされました。本校でも昨日から分散しての登校が始まっています。私も正門に立って生徒を迎えたり、教室での様子を見たりしました。本校校長となって、やっと生徒たちの顔を見ることができる状況になりました。生徒たちも今年度はじめての登校で、しかもふだんとは違う雰囲気とシチュエーションですから、緊張や戸惑いがあるかもしれません。1年生は特に本校自体に初めての登校になるので、緊張すると思います。

ここに至るまで、我々教職員も感染拡大防止に最大限留意しながら、生徒たちを迎えるためにはどのようにすればよいかについて、協議等を重ねてきました。2、3年生にとっては本当に久しぶりに同学年の友達に会うので、心が弾んで積もる話に花を咲かせたいのはやまやまでしょうが、時間的、空間的に分散するように計画しているのですから、状況をふまえてそこをぐっと我慢してもらわなければなりません。

学校教育の目的の一つに、コミュニケーション能力を育むということがあります。その点で友達と学校の場などで言葉をやりとりし、一緒に行動することで友好を深めることは大切なことです。感染拡大防止のために、できるだけ友達とも近づいて話さないようにするということは、その目的と矛盾すると考えられます。守るべき基準や指標、ルールが複数あって、それらが相反したり、矛盾したりしている場合は困ってしまいますが、その時に考えなければならないのは、今の状況では何を一番に優先しなければならないか、ということです(状況をかんがみて優先順位をつけるというのは福沢諭吉などが繰り返して強調した考え方です)。大阪府の現状ではまず感染拡大を防ぐということが教育現場でも優先される必要がある、ということになります。そのために関係者は協力しなければなりません。

次に考えなければならないのは、矛盾するところをうまく折り合わせることはできないかということです。この場合であれば、感染拡大防止に配慮しながら、友達同士のコミュニケーションを大切にするにはどうすればよいかを考えるということです。具体的には、直接に話をしたりすることは控えて、間接的なかたちでのコミュニケーションを充実させるようにするということです。

「校長先生、そんなんやったら、私たちメールとかでもうしてますよ」と言われそうですが、重点は「充実させる」というところにあります。充実したコミュニケーションとは、互いの人柄をふまえて、相手の人格を尊重したもので、その付き合いが勇気や励ましや落ち着きを与えてくれるものであるはずです(そういう観点からは、SNSでのいじめなどはもってのほかでしょう)。間接的な手立てがいくら発展しても、それに伴っての心の交流もより豊かなものになっていかないならば、本当に文明が発達していっているとは言えないと私は思います。堺西高校の生徒にはこういう状況の中でも、互いに励ましや落ち着きを交換し合えるような力を育んでほしいと考えています。

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