1.2年生の授業が始まりました

本日から、1、2年生の授業が始まりました。

コロナの感染が拡大している中、不安も伴いますが、1日1日を大切にして欲しいと思います。

文化祭や修学旅行も予定されていますが、今後の感染状況次第ではどうなるかわかりません。

「安全対策を取りながら、どこまでのことができるのか」

引き続き、大きな課題と向き合いながらの教育活動となりますが、

生徒たちが大きく成長する2学期となるよう、心から願ってやみません。

以下、始業式における挨拶です。

今日から、いよいよ2学期が始まります。

引き続き、新型コロナによる制限の中での高校生活となりますが、

1年間の中で、大きな意味を持つ2学期です。目標をしっかりと持って、さらに成長してください。

 さて、この夏、わが国で57年ぶりとなるオリンピックが開催され、過去最高数のメダルを獲得した日本人選手の活躍に、私たちは夢や元気をもらいました。

また、残念ながら力を発揮できなかった選手や、思うような結果につながらなかった選手が涙を流す姿からも感動をいただきました。

全てを賭けて挑んだ結果がうまくいかなかった悔しさは計り知れないものがあると思います。

しかし、「一生懸命に打ち込んだ人にしか味わうことのできない本当の意味での悔しさ」が、新たな成長へのバネになることは間違いないと思います。

「失敗は成功のもと」と言う言葉がありますが、成功は失敗の積み重ねの中から生れてくることがほとんどです。ぜひ皆さんも自分の力を信じ、失敗を恐れず、いろいろなことに挑戦をしてください。

ところで、そんなオリンピック大会において、競技以外で世間を賑わしたことがありました。それは、相次ぐ「SNSによる誹謗や中傷」です。

「負けた選手を応援していた人による勝った選手に対する攻撃」や「力を発揮できなかった選手に対する誹謗や中傷」さらに「人種やマイノリティーに対する差別的な書き込み」など、正体を隠した匿名での攻撃は、選手のみならず審判に対しても容赦なくおこなわれました。

心無い人たちによって、「平和の祭典」であるオリンピックが、人権侵害の場になってしまったことは、本当に残念でなりません。

このような、ネットによる卑劣な行為は社会的な問題となっています。

今年の4月には法律が改正され、被害者の訴えにより、裁判所が開示命令をすれば匿名の投稿者についてプロバイダが情報開示をしなければならなくなりました。このように、今後、法の整備は進んで行くと思われます。

いつでも、誰でも、誰とでも、そしてどこにいても繋がることができる便利なインターネットが、人を幸せにするという「本来あるべき方向」に活用が進んで行くことを心から願っています。

そんな思いから、今日は、皆さんに「ネットへの発信」について少し話をしたいと思います。デジタル社会を生きていく皆さんにとって、本当に大切なことなので、ぜひ、自分事として考えてください。

まず、皆さんに質問ですが、「デジタルタトゥー」という言葉を聞いたことがありますか。

2年前、NHKが、この問題をドラマ化したので見た人もいるかも知れません。

タトゥーとは入れ墨のことです。つまり「デジタルタトゥー」とは、インターネットに公開された書き込みや写真などのデジタル情報は、身体に入れた入れ墨のように消すことが難しく、いつまでも残るということを表現した言葉です。

例えば、皆さんが何気なくネットでつぶやいた言葉も、もし、拡散されればその後、半永久的に消えることなく残ります。そして、場合によれば、それが人生に大きな影響を及ぼすことさえありえます。

以前、会社を経営されている方から聞いたことを紹介します。

その人の会社では、社員を採用する時、名前をネットで検索して、過去の経歴を調べます。そして同時に、その人がネット上で過去におこなった書き込みも調査するそうです。

なぜならば、書き込んだ内容から、その人の性格や考え方、人となりが推測できるということでした。

例えば、他人のことや自分の所属する組織を誹謗、中傷するような書き込みがあれば、おそらくこの人は会社に入った後も、陰で同僚や組織の悪口を言ったり、協力的でなかったりすることで、組織にとってマイナスになるのではないだろうか? といった感じです。

ネット社会において、このようなことをしている会社は少なくないようです。

 ネットとは少し離れますが、今回のオリンピックの開会式を担当するはずだった、ミュージシャンと演出担当者が辞任を強いられたもの、過去の言動や、行動によるものでした。

このように、何かのタイミングで、過去の自分の行動が、今の自分にプラスになったり、マイナスになることは、十分起こるうることです。

 ましてや、ネット発信は、世界中に「自分自身」を公開しているといっても過言ではありません。そして、それは入れ墨のように、ずっと消えずに残っていくのです。

皆さんに今日伝えたかったこと

それは、情報化が進む中において、「今、何気なく書き込んだことが、将来にかけて自分に影響を及ぼすかもしれない」ということ

 また、何気なく投稿した他人の写真や文章が、その人のことを世界中に発信することとなり、その結果とんでもないことになるかもしれないということです。

 様々な危険から自分自身を守るためのも、ぜひ、このことをしっかりと心にとどめておいてください。

最後にもう一度、感染症に関する話をします。

今、感染のほとんどを占めている「デルタ株」は、想像以上に感染力が強く、特に若い世代に感染が広がっています。

10代の若い世代の感染も一定の割合を占めています。そして、府立高校においても、ここ数日感染者が大幅に増加している状況です。

 夏以前とは全く違うウイルスであると考えなくてはなりません。これまで以上の感染対策の徹底を心掛けてください。

「マスクの着用」はもちろんのこと、「食事の場面」では、自分自身と周りの仲間を守るために、必ず「黙食」を心掛けてください。

また、登下校中の複数人の飲食は大きなリスクを伴います。自粛をしてください。

ちょっとした油断が、クラスターの発生や、家庭での家族感染につながること、そして今の医療機関の状況では、万が一感染した場合なかなか入院することができず、大変な状況になることを念頭に置きながら、行動をコントロールしてください。

皆さんはこれまでも多くのことを我慢し、大変な思いをしています。

しかし、今は皆さんにとって、さらに大切な時期を迎えています。

ぜひ、力を合わせていきましょう。

1日も早く、パンデミックが終息することを心から願い、始業式の挨拶とします。