本日(4月8日)、午前中に2・3年生の始業式をおこない、
午後からは、入学式を挙行しました。
入学式では、321名に対し入学許可をおこなった後
新入生代表の生徒から宣誓が行われました。
在校生も新入生も新たなステージの始まりです。
コロナがなかなか収束しない中ではありますが、
1年の目標をしっかりと掲げて、
自分自身を大切に、これからも成長していってください。
心から応援をしています。
2、3年の始業式では、情報社会を生きていくために必要な力について話をしました。
生徒の皆さんには、教科の知識や技能を高めると同時に、
社会で生きていくための力をしっかりとつけて欲しいと思います。
始業式の話(抜粋)
いよいよ新しい年度が始まりました。世間では、コロナの感染が収まることなく、
特に若い世代の感染者が増加傾向にあります。
これから、部活動の公式戦を控えているクラブも多く、心配な状況です。
自分を守り、仲間を守り、様々な活動を続けていくことができるよう、
引き続き、個人個人が感染対策をしっかりと取ってください。
(略)
覚えている人もいると思いますが、コロナが流行し始めた、およそ2年前、
ある一人のツイートが世の中を混乱に陥れました。
ツイートの内容は「トイレットペーパーの多くが中国で作られ・輸出されているため、コロナの影響で手に入らなくなる」という全く根拠のないデマでした。
すぐさま、否定する投稿が数多く行われ、自治体も「トイレットペーパーの、在庫は十分にある」 と否定する声明を発表しました。
しかし、すでに情報が全国で知れ渡っていたことにより、多くの人がトイレットペーパーを買い占め、全国的な品薄・品切れ状態が続きました。
また、ロシアによるウクライナへの軍事進攻についても、ロシア情報当局の発信している情報と欧米メディアが伝えるウクライナの被害実態には、大きな隔たりがあります。
報道が、全て真実を伝えるものであるとするならば、あり得ない話です。
このようにネット社会では、様々な情報が飛び交い、中には、相反する情報やデマも含まれています。
つまり、情報社会で生活する私たちにとって、膨大な情報を取捨選択し、真実を判断する力が極めて大切です。
先ほど紹介した2つの例のように、
情報により惑わされたり、情報操作しようとするケースに巻き込まれたり、場合によれば、詐欺にあったり、間違った行動へ誘導されることもあり得ます。
2019年に実施された調査では、
中学生高校生の4人に1人がフェイクニュースに騙された経験があることがわかり、その内、半数を超える生徒がそのフェイクニュースを拡散したことがあることがわかりました。
もしかすると、皆さんの中にも心当たりのある人がいるかもしれません。
インターネットは、いつでもどこでもすぐに情報を得ることができる素晴らしいツールであることは言うまでもありません。
しかし、多くの情報があるからこそ、「情報を見分ける力」が必要であるということも、忘れないでください。
また、SNSについても同じことが言えます。
例えば、ネット上で自分と似た考えや価値観を持った人たちだけと閉鎖的なやり取りを繰り返すと、その考えが「特別な意見や思想」であったとしても、そのことに気付かず、あたかも「その考え方が全て」であるかのような勘違いを起こすことがあります。
そして、ときに、それがエスカレートすると、自分たちと違う意見を持つ人たちに対する攻撃へと繋がるケースも出てきます。このような考え方が、対立や、「いじめ」につながるケースも少なくありません。
今日、皆さんに伝えたかったことは
「ネットで得た情報を鵜呑みにするのではなく、その情報を見極める力をしっかりと持って欲しいということ」
もう一つは「SNSにおける、ごく一部の人たちとの閉ざされたつながりは、自分自身の考え方を狭める危険性を持っている。」ということです。
(略)
「進路の方向性を定め、そのための力をしっかりと蓄える2年生」、
そして「この2年間でつけた力をもとに、次のステージへチャレンジする3年生」、それぞれの活躍を楽しみにしながら、1学期始業式の挨拶とします。