第79回入学式を挙行しました

4月8日の午後、第79回入学式をおこないました。

曇り空が広がる中でしたが、校内の桜は満開の状況でした。

学校長による式辞

学級担任紹介

<以下、式辞の内容(抜粋)です>

(略)

桜塚高校に入学された新入生の皆さん。まずは、入学おめでとうございます。それぞれが、これからはじまる高校生活に夢を描いていることと思います。新たなステージで、第一歩を踏み出そうとしている皆さんに、心からエールを送りたいと思います。

本校は昭和十二年に設立され、八十七年目を迎える伝統ある学校です。「明朗」「敬虔」「奉仕」という校訓は開校時から今も大切に受け継がれています。「明朗」とは、文字通り明るく朗らかなこと、「敬虔」とは、人を敬い大切にする心、「奉仕」とは自分の利害を離れ、人や社会のために尽くすという意味です。これらは、私たちが「人」や「社会」と繋がるうえにおいてなくてはならない大切な力です。 皆さんには、授業で身に着ける「知識」や「技能」はもとより、高校生活全般を通して、大いに「人間力」を高め、将来、社会で活躍する人材へと成長して欲しいと思います。

 (略)

皆さんに、私から、高校生活を送るにあたって心にとどめて欲しいことを二つ伝えようと思います。

まずひとつ、それは、自らの力を信じ、失敗を恐れずいろいろなことに、積極的にチャレンジをして欲しいということです。人は、唯一、「失敗」をしない方法があります。それは「挑戦」をしないことです。挑戦しなければ、失敗はありません。その一方、「成功」も、「達成感」も、そして、「成長」もありません。また、挑戦をした失敗は、次のステップに繋がることが多いですが、挑戦しなかった「後悔」は、決してプラスにはなりません。

今や、大リーグを代表する素晴らしいプレーヤーとなった大谷翔平選手は、高校を卒業後、日本のプロ野球に入団をしました。そして、高校時代からメジャーでプレーをすることを夢見ていた彼は自分自身の強い希望によって2018年、アメリカに渡ることになります。当時、「二刀流」として「二けた勝利」「二桁本塁打」を達成し、リーグMVPにも選ばれていた彼でしたが、多くの専門家や関係者は「レベルの高いメジャーでの二刀流は難しいだろう」と言っていました。監督であった栗山氏も心配し、「それでも、アメリカに行くのか?」と尋ねたと言います。その質問に対して、彼は、こう答えました。「成功するとか失敗するとかは僕には大きな問題ではありません。やってみるということが大事なんです。」つまり、彼にとっては、結果よりも、チャレンジする楽しさの方が大切なこと、だったんです。彼が超一流の選手になれたのは、たぐいまれな能力が備わっているからには違いありません。しかし、この考え方があるからこそ、その素質が大きく開花をしたのだと思います。

(略)

伝えたいことの二つめ、それは「繋がりを大切にして欲しい」という事です。世の中の情報化が進み、インターネットを通して、人は「いつでも」「どこでも」簡単に繋がる事ができるようになりました。その一方、実際に顔を合わせて会話をする機会は減っています。そして、お互いの表情を見ない、SNSやメールなどにおいて、相手の気持ちを考えない「言葉による暴力や攻撃」が行われ、本来は「人」と「人」とを繋ぐはずの大切な「言葉」が、人を傷つける道具になることも少なくありません。残念ながら、心無い集団からの書き込みによって、自らの命を絶つケースも起こっています。

(略)

高校生活は「繋がりの大切さ」を知る絶好のチャンスです。様々な「行事」や「部活動」などを通じ、「仲間といる喜び」や「支え合うことの大切さ」を実感し、人を大切にする心を育んでください。また、人とつながるための一番の力である挨拶が自然にできる、素直な心を持ち続けてください。

(略)

それでは、新入生の皆さん。およそ、千日間の旅が始まろうとしています。皆さんは今まさに、滑走路を走っているところです。不安もあると思いますが、自分の力を信じ、思い切って飛び立ってください。飛行機は離陸をするとき、一番多くのエネルギーを必要とします。しかし、大空に飛び立ったとき、飛び立った人にしか見ることのできない素晴らしい景色が広がるはずです。三年後のさらなるテイクオフに向け、皆さんが大きく成長することを祈念し、入学にあたり、贈る言葉とします。

令和6年 4月8日 大阪府立桜塚高等学校  校長 田 尻  肇