1学期始業式をおこないました

4月8日の午前中に1学期の始業式をおこないました。

令和6年度の学校生活スタート!
新たな学年、新たなクラスメートと共に新たな1年の始まりです。

校長の挨拶、一年の始まりにあたって生徒の皆さんへの思いを伝えました!

自治会の生徒へ「消防局からの感謝状」を渡しました。

同時に、自治会の会長から「能登半島地震への募金活動」の報告がありました。

終業式後、この4月に着任された先生方の紹介がありました。

一人ひとり紹介するたび、生徒から拍手が起こりました。「やっぱり桜塚の生徒の心は温かいなぁ」と改めて実感しました。

<以下、始業式の挨拶の抜粋です。>

新年度を迎えました。新しい先生方もお迎えし、クラスも新しくなりました。それぞれ学年も一つ進級し、目標も、高校生活も大きく変わります。3年生は、進路実現に向け、いよいよ勝負の年になります。これまでも何度も伝えていることですが、自分のやりたいことができる進路先、自分が一番行きたいと思う進路先に向けて、粘り強く、挑戦をしてください。

そして、2年生は、部活動や行事が充実する、まさに高校生活を満喫する1年になります。仲間と共に、多くの思い出を残してください。

さて今日は、この1年、皆さんに、チャレンジ心を持って欲しいという思いから一人の陸上選手の話をします。

今からおよそ70年前、1954年5月6日。陸上の歴史において今も語り継がれる、ものすごい記録が生まれました。記録をつくったのは、イギリス人のロジャー・バニスターという選手、彼は人類史上初めて、1マイル4分を切り、3分59秒で走りました。1マイルがおよそ1600mなので、1000mが2分半、1500mが3分45秒、今でこそ高校生でも走れるタイムですが、当時は信じられない記録でした。

というのも、それまでの記録は4分10秒3。1923年に出されたこの記録も当時は驚異的な記録で、「人間の限界を超えている」と言われたその記録は、31年もの間、破られることがありませんでした。スポーツ・ドクターをはじめとする関係者からは、「これは人間が出せるギリギリのタイムであり、これ以上の記録は不可能である」と言われ、世界中のトップランナーたちも「1マイル4分」をエベレスト登頂や南極点到達よりも難しいと言っていました。つまり、誰もが、この記録は破られない記録だと思っていたわけです

ところが、たった一人、その記録は敗れると考えている人がいました。それが、ロジャー・バニスターです。名門オックスフォード大学の医学部の学生であった彼は、科学的なトレーニング法を自分で考えるとともに、当時は一般的ではなかった「スポーツにおける精神的な部分」を重要視したのです。そして2人のペースメーカーに引っ張られることにより精神的な限界を超えた最大限の力を発揮し、31年間誰もが到達できなかった1マイル4分以内を成し遂げました。

ところが、ここからドラマが起こります。

彼が記録を作ったわずか46日後、オーストラリアの選手が3分58秒の記録を樹立。さらに、1年後までに23人もの選手が、4分の壁を切るのです。そして、10年後には、4分の壁を切る高校生選手まで誕生します。

なぜ、こんなことが起こったのでしょうか?バニスター選手が作り上げた練習法が他の選手の参考になったことはあると思います。しかし、最も大きいのは、「絶対超えることのできない記録」が「達成可能な記録」に変わったことです。バニスター選手が、皆の目標を高めたのです。

他のケースにおいても、同じようなことがあります。今は当たり前になった野球のメジャーへの挑戦も、最初の挑戦者がでるまでは、全くレベルの違う世界で、通用するわけがないという考える人がほとんどでした。サッカーにおいても「ヨーロッパリーグで活躍する」なんて、まさに夢の中の夢でした。野球の「野茂選手」やサッカーの「奥寺選手」といった選手が挑戦し、活躍する姿を見て、次々と続く選手が出てきたわけです。その意味では、最初に挑戦した人のメンタルの強さが、「誰もが破ろうと思わなかった大きな壁を破った結果」と言えます。

人の行動は心で決まります。「これは誰もできないこと」とか「自分にはできないこと」と決めた時点で、目標や行動は、それ以下となります。つまり、自分の中での「100点満点」が決まるわけです。100点満点以上はありませんから、そこで自分の限界が決まります。

これは、スポーツだけではなく、学習も含め、全てにあてはまることです。例えば3年生が間近に控えている進路実現も同じで、自分が「本当に生きたい進路先」のレベルが高くても、そこを100点として努力すれば、可能性がでてきますが、「自分には無理」と決めた時点で、その可能性は0%になります。

自分の100点満点を決めるのは、自分です。この1年、自分の目標をしっかりと立ててください。そして、その実現に向け、前に進んでいく1年にして欲しいと思います。

皆さんと桜塚高校が大きく成長する1年であることを願い、年度当初の挨拶とします。