本校では11月を「相互授業見学月間」と位置づけ、
教科を超え、他の先生の授業を観察し、自身の授業力向上に繋げています。
どの授業も持ち味があり参考になるのですが、興味深いものを一つ紹介します。
2年生の古典の授業において「エキスパート法」と「ジグソー法」という新しいグループワークの方法を取り入れた授業です。
2時間かけておこなう、その授業のテーマは
「源氏物語」の「桐壺巻」における「桐壺更衣の死の原因は何か」
「検察官」、「弁護士」、「裁判官」といった立場になりながら、
テーマについて考えていく授業です。
まず1時間目授業は、「エキスパート法」
生徒たちは、自分が弁護士になったつもりで、様々な登場人物を弁護する内容を考えました。(誰が誰ににどのようなことをしたのか? その時の心情、置かれている状況などを踏まえ、それぞれの人物を守るための「主張」を自分なりに考えていました。)
次回の授業で、しっかりとわかりやすく説明するためには、十分に把握しておかないとなりません。
責任重大です。
1回目の授業はここで終了しました。
そして、第2回目の授業。
今回は「ジグソー法」です。
本授業の内容を確認後、生徒は「異なる人物の弁護をおこなう者」同士、グループに分かれました。
各グループに異なる番号の生徒が所属する形です。
そして、お互いが担当する人物の「弁護」をわかりやすく伝えあいます。
そして、いよいよ最終段階。
それぞれの弁護を聞いた後、生徒たちは「裁判官」となり、
・誰を裁くのか
・その理由
・疑問に思うこと 意見
などをロイロノートで提出しました。
授業には、他の教科も含め複数の先生が参観に来ていました。
教科を超えて、参考になるところがあったと思います。
1000年も前に完成したとされる「源氏物語」を身近に感じる時間でした。
古典の知識を得るだけではなく、
登場人物の気持ちに寄り添ったり、その背景を調べたり考えたりすることで、
内容の理解が、深まったのではないでしょうか。
授業の後、生徒たちが提出した振り返り用紙には、「深まった」「面白かった」などといった肯定的な意見が多く書かれていました。
文科省が提唱している。
「主体的対話的で深い学び」
まさに、3つを兼ね備えた授業であったと思います。
今月の授業見学推進月間で、先生方が強みを共有しあい、
さらなる組織的授業力向上につながることを願っています。
担当された先生、
見学に来られた先生、
そして、頑張って授業に取り組んだ生徒の皆さん
本当にお疲れさまでした!