終業式 校長式辞

本日の終業式であった校長先生の式辞です。

みなさんおはようございます。早いもので今年も暮れようとしています。冬休みに向かうにあたり、今日は皆さんに「コミュニケーション」と「読書」についてお話ししたいと思います。

今ではコミュニケーションツールとして欠かせないLINEなどのSNSを中心に、相手にうまく思いが伝わらずに悩んだり、気まずい思いをしたりした経験が一度くらいはあるのではないでしょうか。

たとえば、「○○じゃない?」って聞きたいのに「?」を入力し忘れ、「○○じゃない」と否定の意味に取られてしまうなど、面と向かって話せない場合にはコミュニケーションによる誤解が生じやすいものです。

対面で話すのとは違い、文字でのコミュニケーションは思いが伝わりにくく、さらにSNSなど短い単語や文章で意思疎通を行うのは難しいものです。

特に、「状況がどうであるかを考える力」、「相手のことを思いやるなど感じる力」、「相手や自分の置かれた状況を想像する力」「様々な思いを実際に表現する力」これらが欠けるとスムーズなコミュニケーションは期待できなくなります。

今、「考える力」「感じる力」「想像する力」「表す力」と言いましたが、実はこれらは国が示している「国語力を構成する能力」です。

「考える力」とは,分析し論理的に思考する力であり、「感じる力」とは,相手の気持ちを感じ取ったり、感動したりできる力です。「想像する力」とは,経験したことのない事や現実に起こっていない事などを推量して、頭の中でイメージできる力です。相手の表情や態度から、言葉になっていない思いを察するのも想像力です。「表す力」とは,これまで示した「考え、感じ、想像」したことを表すために必要な表現力で、分析や論理で発言や文章を展開していける能力です。

こういった、能力がないと、つまり国語力がないと、単に国語の成績が良くないとか、学習が進まないといったことだけでなく、コミュニケーションの誤解による人間関係のつまずきなど、多くの点で人生を豊かに生きることが難しくなる可能性があります。

国語力をつけるには、本を読むこと、たくさんの文章にふれること、つまり読書が一番の方法です。読書は楽しみながら、知識が豊富になり、ものを考えることができるようになります。

本にはさまざまなジャンルあり、自分の興味のある本を選べばいいので、文学作品に限らず、自然科学や皆さんの部活動に関わる本も、読むきっかけとしてはいいでしょう。人生の早い段階で、読書の習慣が身に付けば、国語力を向上させられるだけでなく、一生の財産となります。

特に自分で論理的に考える力をつけることは、これから先の予測不可能な時代を生きていく上でとても大切なことです。

受験を控えた3年生にはなかなか自由な時間がないでしょうが、気分転換のひと時に、また進路が決まった3年生や1・2年生の皆さんはこの冬休みを契機にぜひ本を読んでほしいと思います。本校の図書館には昨年度からPTAや60周年事業でご協力頂き、新しい本が入るようになりました。まずは今日、学校の図書室に立ち寄って1冊借りて帰ってみてはいかがでしょうか。

では皆さん、体調には十分気を付けて、明日からの冬休み、それぞれの目標に向けて充実した楽しいお休みとしてください。以上で私からの式辞を終わります。

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