学校に行く意味

 今日は合宿に行っているクラブも多く、校内は比較的静かです。

 そんな中、講習を受けてくれていた生徒が2名、訪ねて来てくれました。彼らはとても仲良しで、いつも一緒に頑張っていました。が、結果は残酷なもので、2人のうち1人は合格しましたが、もう一人は残念な結果に終わってしまいました。残念な結果の場合、中々学校に来るのは気持ちがしんどいと思うのですが、今日は不合格だった彼が「一緒に学校に挨拶に行こう」と誘ったそうです。合格した彼からは誘いにくいだろうから、という気遣いだったようです。

 彼らといろんな話をしましたが、その中で「なぜ勉強だけしかしない人はダメなのか」という話題になりました。

 私たち教員は3年生の夏ごろから「学校休んで勉強しても絶対に受からない」と言い続けます。そして、卒業した人たちが後輩へのアドバイスとしてよく言ってくれるのが「クラブは最後までやった方がいい」ということです。でも「なんで?」と聞き返されると「...今まで見てきた生徒たちがそうだったから」...など曖昧な返答になってしまいます。でも、今日2人が言っていたのは「ちゃんと『高校生』したから大学に行ける」という話でした。クラブを中途半端に辞めてしまったり、学校生活を自分勝手に過ごしたりしたまま受験に突入しても、どこかに忘れ物をしてるみたいで集中できない。逆に、納得いく高校生活を送った人は、受験勉強に入っても切り替えがきき、最後に伸びる、ということだと思います。

 また、長文の手紙をくれた人もいました。

 この彼女も受験は残念な結果でした。一年間、講習を通じて考えたことを、とても丁寧に書いてくれました。受験を通じて、本当にたくさんのことを感じ、学んでくれたことがよく伝わる文章でした。第一志望に受からなくても、充実した受験生活を通して得たものは大きく、彼女の財産になったと思います。最後にこう書いてくれていました。「厳しくも優しい、いつも進路室を出るときに、"またおいで"と言ってくださる先生に救われました」

 実は、"またおいで"は、意識して言っています。進路室に相談や質問に行くのは敷居が高いものです。が、遠慮せずに気楽にまた来てほしい、という気持ちで言っているのです。これからも。生徒たちにとって元気が貰えるような進路指導室でありたいと思います。卒業生も元気な顔を見せに来てください。