歩きスマホの恐怖

 歩きスマホ・・・このフレーズが言われだしてから、どれくらいたつでしょうか?最初の頃は、「若者の」と限定的で、駅のホームや人混みの中でちらほら見かけるという程度だったのですが、今や老若男女と言っても過言ではないほど、あちこちで目にするようになりました。危ない、なんてものではなく、実際に大惨事になってしまったということが後を絶ちません。歩きスマホだけでなく、自転車や車を運転しながらの、「ながらスマホ」というのも死亡事故まで報じられるようになり、頻繁に警告が発せられるようになったにもかかわらず、なくならないというのが、現実です。春高生の皆さんも、「歩きスマホゼロ!」と胸をはって言えるような状況ではないですよね。生徒部から、通学のマナーについて新年度早々に伝えられているにも関わらず、マナー違反があるのが現状だと認識しています。ぜひ、「当たり前のことが当たり前にできる」人になってください。恥ずかしいと思いますし、誰かを傷つけてから後悔しても遅いからです。

 通勤の時、地下鉄御堂筋線梅田駅~JR大阪駅間を移動しています。まん延防止や緊急事態宣発令に関わらず、特に朝はものすごい人です。朝、JR大阪駅の改札に向かう時は、前後左右斜めと、あらゆる方向から人が現れます。人も多く、とても殺伐とした雰囲気なのですが、その中でも平然と「ながらスマホ」で、しかもかなりのスピードで突き進んでいる人が目につきます。ちょっとしたストレスになっていました。そう、「ちょっとした」と思っていました。ところが、「ジブンゴト」に強烈に感じられる状態になりました。日曜に足首を捻挫した・・・と思っていました。月曜は仕事が忙しく、整形外科があいている時間に間に合わず、火曜の帰りにやっと受診しました。そしたら、な、なんと剝離骨折!骨が完全にはがれていないので、手術はせず、ギブスと言われ、あっという間にギブス姿になりました。痛みがひどくなるばかり・・・と内心思ってはいたのですが、捻挫するなんて何十年ぶりだろう・・・という感じだったので甘く考えていました。昨日は休んで、今日杖をついての出勤になりました。す、すると!スマホの画面を見て、前を見ないで突進してくる人が、本当に怖いのです!だって、咄嗟によけようとしても足が動かず、「ぶつかる!」と3回くらい思いました。普段なら、早くに危険を察知して対応したり、咄嗟によけたりできるわけですが、思うように動けない身としては、ままなりません。これって、高齢者や障がいのある方など、「危険を前もって察知してうまく回避できる」ことが十分にできない多くの人たちは、日々この恐怖にさらされているのだなあ・・・と改めて実感しました。朝夕の出勤がコロナだけでなく、こういう不安もプラスされてしまいました。そして、少しくらいいいだろう、という思いが多くの人を傷つけたり、不安に陥れたりするのだということに思いを巡らせました。自分自身も戒めつつ、春高生の皆さんにも伝えたいと思います。当たり前のことを当たり前にやっていきましょう!世の中には、思い至らないことはまだまだあるでしょう。でも、自覚していること、第三者から指摘され、気が付くことができたことは、ほったらかしにしないで、きちんと対応できる人になりましょう。そのひとつひとつのことが、一人一人の幸せにつながっていくのだから。