大切なこと

 3年生は午前中授業が19日から始まっていますが、1・2年生は明日が夏休み最終日となります。もしかして、今頃は夏休みの課題ができていなくて、焦りまくっているという人もいるのではないでしょうか?はるか昔の自分を思い出すと、大の苦手の数学の宿題(春高に劣らず半端ない量の課題だったと記憶しています。)を同じ部活の理系が得意な同級生のノートを部活の仲間と集まって写しまくるという状況に陥っていたことを記憶しています。ごめんなさい!生徒の皆さんにえらそうに、「自分の力でやらないとなんにもならない!」なんて言えませんね。でも、それって真実です。事実私は、数学のせいで第一志望をあきらめました。高校1年の時からくじけず頑張っておいたらよかったと、本当に後悔しましたから。なので、教師になった私は、自分の後悔を胸に、「自分の可能性を自分で狭めないように。」とメッセージを送り続けてきました。

 明後日は始業式です。でも、他府県では始業式を9月に延期したり、部活動を休止したりと慌ただしい動きがあります。大阪もどうなるかわかりません。第4波で医療崩壊を経験した大阪ですが、緊急事態宣言が発せられた時は、まだ余裕があるのでは?という意見もあったと思います。でもその時から、時間の問題とほとんどの人が思っていたのではないでしょうか。事実、大阪の府立学校だけでも第5波の今は、第4波の時をはるかに超える状況になっていると府教育委員会から今日やっと具体的に知らされました。教職員の方々とも今日すぐに、その情報を共有することができました。全国に感染しても保健所からの連絡を待っていても連絡が来ず、不安な思いで過ごしている人がたくさんいます。保健所からの連絡が、2~3日、あるいは3~4日かかると言われています。たとえば私の住む大阪市の保健所はひたすらリダイアルで電話をかけ続けても話し中が続き、何かのタイミングでつながったら奇跡という状況です。保健所の方々の負担はどれだけのものだろうかと思いますが、学校は学校で明日の教育活動をどうするかという問題があるので、電話をかけ続けることになります。濃厚接触者であると特定する基準が緩められるという報道を知り、ほっとするよりは、それで学校は大丈夫なのかという不安しかありません。確かなことは何もなく、一日がなんとか終わると、明日はどうなるだろうかと思う日々です。それでも落ち込むことはないし、なんとか生徒の皆さんの安心と学校の教育活動を維持していこうという思いで私たちはいます。

 大切なことは、負の気持ちに支配されないことです。「オリンピックをやったのだから、自粛とか言われても。」という声を今でもまだテレビでよく聞きます。「オリンピックをやっておいて、修学旅行は中止や延期は納得できない。」気持ちは十分すぎるくらいわかります。でも、それを言い募っても何も解決はつかず、状況が悪化することはあっても好転することはありません。私たちにできる大切なことは、やはり「最大限、感染症対策に地道に取り組むこと。リスクを避ける工夫をすること。」これしかありません。そのことによって、感染者数が少しでも抑えられ、医療やそれに関連する機関への負担が少しでも減り、そのことが私たちひとりひとりの命を守ることに確実につながるのです。今は、それほど目の前に危機が迫っているし、デルタ株を克服したら終わりではないということもわかっていることです。長期戦になります。覚悟して、細心の注意を払うことをみんなで協力して続けること、できることとあきらめないといけないことを理解し合うこと、まずはそこからだと思っています。

 本気で春高の力を結集することが必要な二学期がもうすぐ始まります。