昨日(1月29日)、2人の演奏家が学校に来てくれました。紹介します。
永田桜子さんは72期の卒業です。2歳半からピアノをはじめ、高校時代には全日本学生音楽コンクール高校の部大阪大会入選などの成績をおさめました。その後、現役で東京藝術大学に進学。現在は同大学院音楽研究科修士課程に在籍しています。
もう一人、伊石昴平さんは65期の卒業で、三国丘高校在学中は弦楽合奏団に所属していました。チェロを始めたのは4歳で、ずっとチェロを続けてきましたが、大学は神戸大学文学部を選びました。日本クラシック音楽コンクール弦楽器部門全国大会第2位(最高位)など輝かしい実績をお持ちです。神戸大学卒業後は東京藝術大学大学院に進学し、今は演奏家としてご活躍です。
演奏してくれた曲は、ピアソラのリベルタンゴ、サン=サーンスの白鳥、ポッパーのハンガリー狂詩曲、ショパンの英雄ポロネーズ、カサドの親愛の言葉です。
音楽のことを何も知らない私でも、自然と鳥肌が立つくらい素晴らしい演奏でした。お二人は共に岸和田市のご出身なので、泉南地域を中心にいろんな学校で演奏をされているそうです。
演奏が素晴らしかったのは当然なんですが、私が読者のみなさんに言いたいのはお二人が後輩に残してくれたメッセージです。
永田さんは現役で第一志望の東京藝術大学に進学されたんですが、絶対合格すると自信をもって受験したわけではないと明かしてくれました。その上で後輩にくれたメッセージは「自分の将来に"無理"と言わないこと!」。ストンと心に落ちた気がしました。伊石さんは、三国丘高校卒業後に音楽とは関係ない文学部に進学しています。その後、大学院で東京藝術大学に進学し演奏家になったという経歴ですが、こんなメッセージをくれました。「好きなことを自分に正直に進路選択してほしい!」。彼じゃないと言えない一言だと思いました。大学で文学部を選んだことは全く後悔していないとも言ってくれました。三丘生には心強いメッセージです。
最後は、弦楽合奏団と一緒に、ヴィヴァルディの四季から春を演奏してくれました。弦楽合奏団にとっても忘れられない一日になったと思います。
こんな素晴らしい時間を持てたのは、実は、日本ピアノ調律師協会さんのおかげなんです。コンサートが行われた直前の音楽の授業で調律師さんが講義をしてくれました。その様子が次の写真です。
言い方が正しいかどうかわかりませんが、次々とピアノを分解して解説してくれる調律師さんが、私には手品師のように見えました。下の写真で生徒が持っている棒状のものは鍵盤です。手前が指で叩く部分で、象牙でできているそうです。(ワシントン条約発効以降はプラスティックで代替しているそうですが...)奥にはハンマーという部品があって、そこには鹿の皮が巻いてあるそうです。もう、びっくりの連続でした。
やっぱり、卒業生って良いですね。演奏が終わった後、恩師の先生方と話している声が弾んでいました。母校というのは故郷で、いつでも帰ってきて良い場所です。同じ場所で青春時代を過ごしたという経験は一生消えません。家族と似ています。このブログを読んでくれている中学生が、三国丘高校の家族になってくれることを願っています。