今日は、2学期中間考査の最終日。11時30分から、後期生徒会執行部役員の認証式がありました。校長から、生徒会長以下生徒会執行部役員に認証状が手交されました。まずは、みなさんのやる気を示すガッツポーズと、認証状を笑顔で受領する写真をご覧ください。
今期の生徒会長は、前列の真ん中で微笑んでいる1年生です。執行部のメンバーは11人、全部1年生です。普通、この時期の生徒会は、どの学校も2年生が中心ですが、なぜ全員1年生なのか...三国丘高校生徒会のシステムは他校と全く違うからです。
実はこの話、三国丘高校の校訓(三丘スピリット)の一つである「自主自立」と大いに関係のある大事なことなのです。そしてそれは、中学生が高校を選ぶときに知っておくべき重要なポイントでもあります。写真の下に解説を書きます。中学生は必ず読んでください。読んで後悔することはありません。三丘生は日々の学校生活を思い浮かべながら読んでください。
三国丘高校は、毎年、いろんなところで開催される合同学校説明会にたくさん参加しています。中学校長会や中学校PTAのみなさんが主催して、市民ホールなどで行われる説明会です。そんな時、私が、中学生やその保護者のみなさんにするお話の一部を紹介しましょう。テーマは、校訓とかスクールポリシーとかです。たいていどの高校でも、校訓の中に「文武両道」とか「質実剛健」とか「自主自立」とか...1つや2つは入っているものです。四字熟語を使っていなくても、例えば「生徒が主体的に〇〇する学校」だとか「生徒自治が確立された学校」だとか、言い方は様々ですが、結局は「自主自立」って言いたいんだなぁと置き換えることができるポリシーを掲げている学校はたくさんあります。
中学生や保護者のみなさんに私がいつも問うのは、「もし、学校説明会で、高校の先生が『本校が大事にしているのは自主自立です』と言った時、あなたはその言葉を信じますか?」ということです。学校説明に限らず、証拠も示さずに何かを定義されても信じようがないというのが正直なところでしょう。私がひねくれているのかもしれませんが、ずっと昔からそう思ってきました。誰かに何かを説明して、それを信じてもらうためには、証拠とか根拠とかいうものが必要です。
ということで、他校のほとんどが説明しない「自主自立」の根拠(証拠)について、今から説明します。学校で「自主自立」と言えば、一般的に、生徒が自主的に行動して何かを成し遂げるという意味です。では、三国丘高校でそのようなことが行われているのか...といえば、答えはYESです。ですが、ただYESと言っても誰も信じません。その証拠(根拠)の一つ目は「校則」です。Googleで「校則とは」と打ち込むと「学校が教育目的を達成するために、児童生徒が守るべき学習上や生活上の規則(決まり)を定めたもの」という答が返ってきます。要するに、学校(=教員)が決めて児童生徒が守るのが校則というわけです。しかし、三国丘高校ではその概念がありません。
三国丘高校のホームページを見てもらえればよくわかりますが、本校の校則のタイトルは、「われらの学校生活」(R06われらの学校生活(校則).pdf)です。その前文にはこう書いてあります。「われわれは、憲法と教育基本法の精神に則り...(中略)...学校社会における共同生活を円滑にする実践活動の大綱を定める」。これは明らかに、学校(=教員)が決めて児童生徒が守る校則の概念では説明できないものです。要するに、本校の校則は、生徒が決めて生徒が守るべきものだということです。これが、真の「自主自立」だと、私は思います。みなさんはどうですか?
証拠(根拠)はもう一つあります。それがまさに今回の記事で取り上げた生徒会です。私がこれまで勤務してきた高校で生徒会選挙と言えば、正式名称を「生徒会執行部役員選挙」と言い、生徒会長や副会長、会計や書記などの役職にそれぞれ立候補者が立って選挙が行われました。それが普通だと思っていました。多くの中学校でも、今説明したような選挙が行われ、当選した人が生徒会執行部を組織したと思います。しかし、本校の生徒会選挙は全く違います。正式名称は「生徒会長選挙」です。選ぶのは生徒会長だけです。生徒会長候補が立会演説会を行い、公約を発表します。全校生徒が投票し、過半数の票を得る候補者がいなければ、上位2名による再投票を行い、過半数の得票に達した候補者が会長となります。副会長以下の役員は、会長が組閣することになります。執行部が決まったので、今日、認証式を行ったということです。生徒は少なくとも自分たちの過半数が支持して当選した会長に協力しなければいけませんし、会長は公約を守るよう努力しなければいけません。今回当選した会長の公約は、「三丘バンド祭の開催」です。生徒の過半数が実現を望む施策ですから、教員が頭ごなしに否定したり反対したりすることがあってはいけません。生徒と教員が、定められたルールの中で互いに責任を果たすというこのシステムこそ、真の「自主自立」だと、私は思うのです。
三国丘高校における「自主自立」の証拠を示し、私の考え方を示しました。これに同意してくれる人にとって、この2つは真の「自主自立」を説明する根拠になるわけです。どうでしたか?理屈っぽいと感じた人がいるかもしれませんが、自校の「自主自立」について、証拠を揃えて、ここまで理路整然と説明する人を見たことがありますか?今回取り上げた「自主自立」という本校の校訓(スクールポリシー)は長い年月をかけて醸し出されたものです。一朝一夕にできあがったものではありません。だからこそ、生徒も教員もそれを尊重し、学校文化として根付いているのだと思います。
ホームページの校長あいさつにも書きましたが、高校選びで大事なことは、「風を感じること」です。風というのは、学校の風、即ち「校風」です。三国丘高校の学校説明会は11月8日(土)です。まもなく、ホームページで募集の告知をします。中学生のみなさん、学校説明会に来て「風」を感じてみてください。そうすれば、私が証拠を示しながら長々と説明した真の「自主自立」の意味も理解できると思います。