33 8月初旬の授業週になりなした

 8月初旬の授業週に入りました。夏真っ盛りのこの時期に授業が学校で行われるというのは、私も長い教員生活で初めてです。梅雨明けが大幅に遅れたこともあって、気温も低めに推移していたのですが、予報通りに明けてからは非常に高温状態が続いています。今年の場合は熱中症だけに注意していればいいのではなく、コロナ感染症にも気をつけなければなりません。

 運動時や移動時にマスクをするのがつらかったり、時には危険であったりすると思いますが、感染防止の観点からはマスクは必要不可欠になります。あらかじめの想定とその場面での臨機応変さが大切になります。自分が行動予定の場所は人の密度はソーシャルディスタンスが保てるくらいか、暑さはどのくらいになりそうか、マスク着脱の必要性がでてきそうか。そのように想定していても、その場その時の状況で行動を判断することが多くなるでしょう。

 二兎を追うものは一兎をもえず、と言います。しかし、これはうさぎを獲物として狙っているからではないでしょうか。もし、大切なうさぎを保護しようとしているのであれば、二兎を追って二兎ともに保護するすべを考えると思います。熱中症防止をとるか、感染症防止をとるか、ではなくて、その時の状況に即して優先すべきほうを実施していく。そういう心がけが必要なのだと思います。

 世の中のことは万事なかなか自分の思い通りにはいきません。村上春樹も人生において、つねにトップランナーでいつづけることはできないので、大切なのはそうでなくなっても走り続けるための叡智が要ると言っています。加えて、現況のように、イレギュラーなことが連続するような場合は、不測の事態が次々と起こってきます。

 学校の教育活動もそうであって、じっくりと腰を落ち着けてというよりは、どうしても腰が浮き気味の状態になってしまいますから、例年通りのようにはいかないことが多くなります。落ち着いた状態でいろいろと生徒には取り組ませてあげたいと思うのですが、ままならず、ということばかりです。つい、こんな状況でなかったら、という「もしも思考」に陥りがちになります。

 長いスパンで教育の成果を見通すことも忘れてはならないと考えています。休みの時にラジオを聞いていると、今年度吹奏楽の大会が中止を余儀なくされていることについて、名指導者とされている方がコメントをされていました。今後、この経験をした生徒たちが人生でする演奏は、この思いを反映した、それだけの深みを加えたものになるだろう、という大意だったと思います。

 この我慢を強いられるような状況の中で、つらいことやしんどいことがあっても、それらを乗り越えて、本校のあるべき教育活動を実施していく。それが生徒たちの今後の人生の歩みにおいて必ず意味を持つはずだということを信じています。

カレンダー

2023年3月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

年別一覧