73 「グリット」という言葉

 新型コロナ感染症拡大の高どまり現象がおさまりません。非常に心配です。どうも開業医さんの様子とかをみて、それほどひっ迫感がないように感じている人が多いのではないでしょうか。内側の事情実状を知らないだけで、そんなことはないと私は思っています。もし、開業医の現場で我々が想像するようなひっ迫が始まるようであれば、手が付けられない状態になるということです。第一、重症や中症の方を受け入れたりするところが強いSOSを発信しているのです。根幹的なところで感染症に対処する医療体制が保持できなくなる事態になりつつあるという危機感が必要ですが、「慣れ」もあって高止まりにブレーキがかからなくなっているようです。大学入試や高校選抜を1月~3月にひかえて、本当に心配な状況です。

 過去の歴史から感染症との闘いには長期戦の覚悟が必要だと言われていました。たしかに言えることは諦めてしまえば事態をのりきることはできないということです。近年注目されているのに「グリット」という言葉があります。「GRIT」と書きます。これは四つの英単語の頭文字で構成されているということです。たとえば、「G」は「guts」です。調べてみると「グリット」は「度胸」「復元力」「自発性」「執念」という意味合いを含む言葉です。総合すると「遠い目標に向かって、困難に出会っても、あきらめることなく粘り強く取り組みつづける力」ということになります。

 この言葉は成功者の資質の説明でよく使われるのらしいですが、生きていくうえで誰もが身につけるべき能力の一つだと思います。テスト問題とは違って、知識技能の高さだけでは生活していくうえでの課題を解決するのは難しい。「意志」の強さが要る。学校生活はそういう力の育成をする場でもあったはずです。実際に社会に出た時に、このグリットがすぐれている人のほうがより力を発揮している例にはことかきません。その点では、私なども自分の過去をふりかえって反省することしきりです。せっかちな性格ほど気をつける必要があると感じています。堺西高校の生徒には、この言葉を覚えておいて、学習、行事、部活、そして日常生活を通して粘り強く物事に取り組むのに役立ててほしいと思います。

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