朝から強い雨が降りました。梅雨が明けるのはまだ遠い先ですから、ひきつづき雨に対する備えもしていく必要があります。特に雨天時の自転車の運転には留意すべきことが多いので、本校生徒にもその点で最大限の注意を払ってほしいと思います。
さて、子どもたちに学びへの意欲を抱かせるというのは教育の永遠の課題です。我々教員は学習に前向きにさせようと色々と工夫するのですが、これで決定だという方法はありません。今、本校の教員と順次面談を行っているのですが、授業づくりについての話のなかでもやはり「意欲」「やる気」を課題だととらえている教員が多いのが現状です。専門的な言葉でいえば、内発的動機を持たせるのは難しいのです。外発的動機は具体的で手っ取り早いのですが、長続きしないし、目的のすり替えが起こってしまいます。たとえば親が子どもに「今度のテストで平均80点以上とったら、小遣いの金額を上げたるわ」というのが外発的な動機によって勉強させようというやり方です。定期考査のたびに小遣い金額を上げるわけにもいかないでしょうし、勉強の目的が小遣いアップになってしまうのが問題です。外発的動機は即効性はあるのですが、きっかけづくりに役立つにすぎない場合がほとんどです。薬と同じで即効性のある分、繰り返して使うと効果をえるためには量を増やさなければならなくなり、それなしではいられなくなる、見返りがないと勉強しなくなることになっていきます。
非常にすぐれた教育者でもあったアランは著書のなかで意欲するすべを覚えることの大切さを説いています。たしかに意欲するすべを自ら身につければ、様々なことをたくさん学んでいくことができるでしょう。スポーツの基礎的な運動や音楽演奏の音階練習などは必ずしも楽しいものではないので、なかなかやる気にならないのですが、そういう場合でもあえて意欲することができれば基本から応用まで上達しつづけることが可能になるでしょう。しかし、この立場は完全に本人の自覚にまつところが多くなるので、やる気のない人間は学ばなくてもよろしいという考えに結びつきやすいことも確かです。
内発的な動機を活かしつつ、外側から有効な学びへの刺激を与えることはできないのでしょうか。決定的な解決法はないのですが、いわゆる「アクティブ・ラーニング」による学習は一つの方策になると思います。教員から一方向的に情報を与えられるのみではなく、同世代の他者から様々な刺激を受けることが学習への内発な動機付けにつながることが多いからです。アクティブ・ラーニングについては批判的な見解も目にしますが、この点に関しては一方向的な授業形態に比べて有効なのは間違いありません。ただし、それはアクティブ・ラーニングが着実に実行されている場合になりますから、グループさえ作ればいいというわけではありません。本校でも新しい高校の授業改革の動きが生徒の学びの意欲を高めるようなものに結びついていくようにしていきたいと考えています。