先週の土曜日に栂文化会館で本校の「アートスタジアム」を開催しました。本校には体育芸術創造コースがあります。アートスタジアムは芸術創造コース生徒の成果発表の場として、また文化系パフォーマンスクラブの発表の場として、伝統的にこの時期に行っている行事です。昨年度はフェニーチェとパンジョホールに分けて2回実施したのですが、今年度は従来通りに1日で開催することができました。ご来場いただいた保護者の皆様に感謝申し上げます。
展示室及びロビーでは美術と書道の生徒作品が展示されていました。絵画、陶器、クラフト、ポスターなど、美術の作品は多種多様で、それぞれの個性が発揮されているように感じました。たとえば、2年生の人物画では対象となった人の人間性がにじみ出てくるような作品がありましたし、3年生の作品には自身のナイーブな内面の表現に成功しているものがいくつかありました。クラフトのバターナイフなどはデザインと実用性を兼ねた、これは使ってみたいなと思わせるものがありました。
書道の作品は力作ぞろいで、テーマや表現に工夫を凝らしたものが今年も多かったと思います。たとえば、篆書体でお経を半切用紙に書いたもの、欧陽詢(おうようじゅん)の「九成宮」を全紙に模写したものなど、取り組んだ生徒の意気込みが伝わってくるようでした。昨年も思いましたが、篆刻作品の展示があるところもとてもうれしいかぎりです。
ホールのほうではパフォーマンス発表が12時過ぎから16時半まで続きました。まずプレ発表として演劇部の公演が行われました。演者数が少ないのですが、それでも5名で精いっぱい演じている様子が伝わってきました。今回は来賓として劇団往来座長俳優の要冷蔵(かなめれいぞう)様においでいただいて、この公演を見ていただきました。ちょうど、前日の朝ドラに野球部監督役で出演されていたところで、すごいタイミングだなと感じています。要さんとは教育と演劇の関係について意見交換をずっと続けさせていただいているご縁で、お忙しいところをわざわざ足を運んでいただいた次第です。要様、ありがとうございました。
続いては、音楽生徒の発表です。個人、ペア、合唱、ピアノ演奏(ベートーヴェン「悲愴ソナタ」)のパフォーマンスが次々と行われていくのですが、日ごろの練習の成果がよく出ていたと思います。復活して最近にまた話題になったアバに「Thank you for the music」という曲がありますが、音楽は人生に慰めや勇気を与え、人と人の心を結びつける力を持っているということを生徒たちの演奏の中に改めて感じた次第です。青年期独特のざらつきや透明感に彩られた美しい声などの響きにふれて感動しました。最後のディズニー音楽のミュージカル演奏もとてもよかったと思います。
2部に入ってからの部活の発表も、軽音楽部、吹奏楽部、ダンス部と続きましたが、生徒はみんな舞台のうえで生き生きとしていて、緊張しながらもパフォーマンスを楽しんでいるのがよくわかりました。これからも引き続き、研鑽と練習を積んでいってほしいと思います。