29 繰り返して学習する

 本日で2学期の中間考査が終わります。西高生のみなさんはテストの出来具合はどうだったでしょうか。できていなかったところに関しては、今後の反省材料にして、しっかりと復習しておきましょう。

 論語にあるように「学びて時にこれを習ふ」つまり勉強した内容を必要な時に自分で復習することが大切です。復習というのは自分で内容について考えつつ学び直すということです。学習では一回目よりも二回目、二回目よりも三回目のほうが理解は進みます。フランスのアランという思想家(「幸福論」で有名ですね)はバルザックという作家の作品を繰り返して読んでいたので、ほぼ覚えてしまっていたと言われています。アラン所蔵の『谷間のゆり』という作品の本には50回以上もページを繰った跡が残っているそうです。

 アランはバルザックやスタンダールといった作家だけではなく、プラトンやアリストテレス、それにデカルトといった哲学者たちの文章も繰り返して読んでいたので、自分の文章を書くときに本文を見ずに引用できたという逸話が残っています。ちなみにアランは高校の哲学の先生をしていましたので、教育に関してもとてもすぐれた文章を残しています。私は大学時代から今に至るまでアランの教育論を何度も見直しているのですが、その度に強い感銘を受けています。知識をきれいに整理しているのではなく(自分もよく理解していない知識を整理しただけの文章はかえって読みにくいですね)、知識と経験とをもとに考えの中身がつまった表現をしているのです。

 「学びて時にこれを習」ったら、次にもう一度学ぶことも大切です。復習したときに浮かんだ疑問はどう考えればいいのか、自分の感じたことや考えたことは正しいのか、意味があるのかといったことを先生や師にあたる人に確認してみるのです。実はこのサイクルには終わりはありません。こういうようなこともふまえながら、明日からの通常授業、しっかりと取り組んでください。来週からは私もみなさんの先生方の授業を見に行きます。

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